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朝。さぁ息子を風呂に入れようかな、という時間。台所のシンクにベビーバスを置いてじゃばじゃばやるんですが。背後で妻が呟きました。「お母さんに写メールしようと思ってさ、撮ってみたけどかわいくないんだよね…」かわいくないって何が? 「息子が」そんなバカな! ありえない。そういえば「もう携帯が古いから写真がキレイに撮れない」って言ってたな。それだ。原因は。「やっぱ買い替えたら?」「いやいや。これって私たちの問題では…」なぬ?
つまりカメラは正直で。俺たちの目が親の欲目で狂ってるってこと? 不細工な息子がかわいく見えてるってこと?
いやいやまさか。写真を添付するのでどうかみなさん見てやってください。お願いします。あっ、でもみなさんの感想は聞くのは怖いですね…。
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うーん、かわいーのになー。でもね。わかってるんです。親バカだって。だけどこんなふうな「何かが強烈にかわいい!」なんて気持ちになることなかったからなあ…。やっと年賀状で子供の写真を送って来るアホたちの気持ちが分りました。それは俺です! そういえば妻がその年賀状について言ってました。「自分たちが誇れるものだから写真を送るんだろうね」誇れるものか…。
えーっと…今日は「ホームレス中学生」の初号試写でした。初号ってのは完成して初めての上映ってことです。
東京現像所。調布にある古い現像所。みんなネズミ色の制服着てて、昔の工場みたいでいいんですよね。構内の消火栓に貼紙がしてあります。太いゴシック体で「引き出せ。構えろ。放水しろ」と書いてある。しびれるなぁ! プロレタリアだ。蟹工船ですね。
ロビーに人が集まってます。でも何か知らないヒトばっかり…。撮影スタッフは殆ど京都の撮影所の人たちだから東京にはいないんですよね。寂しいなぁ…。
おっと池脇千鶴さんがいました。主人公・田村裕のお姉ちゃん役です。豪気な大阪のオバちゃんになるのが目に見えるようなガハハな磊落(らいらく)さと、正反対のふとした繊細さを同居させて。池脇さんはお姉ちゃんを演じてくれました。彼女のおかげでかなりこのお姉ちゃんは面白くなったと思います。ゼロ号の感想を少し聞いたりして。さぁ上映開始です。
うーん。ゼロ号、初号とプリントを重ねて行くのは色を補正するためです。写真屋に何度もネガを持って行って写真を焼いてもらうようなもんですね。その度に「もうちょっとここは赤く」とか「焼き込んで暗く…」とか注文を出すのです。
えーっと。ほぼ注文のところは直ってました。いい具合に仕上がってた。全体のテーマは「夏だから色を出そう!」ってこと。緑はより深く、空はより青く…。といっても実際に撮影したのは3月から4月だから限界はあるんですが。にしてはいい色が出たでしょうか。よかった。
これで「ホームレス中学生」の制作作業はほぼ終わりです。あとは宣伝のほう。早速今夜、宣伝部と打合せです。いってきます!
■過去の記事
第3回:夜泣きの赤ちゃんに「成長」を見た!
第2回:「ホームレス中学生」TVドラマ…、そして遂に赤ちゃん誕生!
第1回:とにかくいろいろ出産間近!
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[古厩監督のなんとかかんとく日記]
「奈緒子」「ホームレス中学生」の映画監督・古厩智之監督がおくる連載コーナー。(毎週木曜日更新)
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 映画監督:古厩智之
1968年長野県生まれ。大学在学中に撮った短編映画「灼熱のドッジボール」で92年ぴあフィルムフェスティバル・グランプリを受賞。94年に同賞スカラシップで初の長編「この窓は君のもの」を監督。「まぶだち」(01)でロッテルダム映画祭グランプリを受賞。他に「ロボコン」(03)、「さよならみどりちゃん」(05)、「奈緒子」(08)など。新作は、小池徹平主演「ホームレス中学生」。 |
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