 |
もう夏も終わりだ! ということにふいに気付いて。なんせこの夏は新生児とウチに居っぱなしでまったく夏らしいことはしておらず。慌ててネットや電話をしまくって。二子玉川の花火を観に行くことにしました。赤んぼがいるからホテルに泊まって、部屋から花火を観る計画です。おお。大人!
しかし一抹の不安が。「去年は見えたんですけどね。風が強く吹くと、花火が流されてマンションに隠れて見えないかもしれません」と電話の向うのフロントマン。そりゃそうか。ギリギリまで空いてた部屋だもんね。いや。去年見えたなら今年も絶対大丈夫な筈だ。こういうとき人間てのは都合のいいほうに考えるものですね。
部屋を予約しました。妻と子を連れて着いたところは川崎、高津区。工業団地の中にあるような味も素っ気もないビジネスホテル。「メキシコみたい。じゃなきゃ中国」と妻。どうやら殺風景だと言いたいらしい。
だけどそんなのも含めて旅情(?)を楽しんでくれている様子です。妊娠して、早産の怖れで入院したり、やっと産まれても赤んぼはちっさいから外出なんて滅相もなく。否応もなく囚われの身の気持ちになるでしょう。
そんな彼女が川崎のコンクリートの中とは言え、「どこにでもいける気がしたよ」と楽し気に言ったのは嬉しかったですね。そうだ。これからこうやってどこにでも出掛けて行くのだ。親子三人で。
|
 |
|
 |
わんわんと人ごみがうなり、出店が並ぶ町へ出かけ、大量の食料を仕入れました。焼き鳥、餃子、チャーハン、もろこし…もうお祭りだ!
妻の弟を都内から呼びつけて…大人三人、赤んぼ一人で花火を待ちます。そうそう。ここで初体験。花火を待ちつつボーズを風呂に入れました。ウチではベビーバスでやってたから同じ湯船に入るのは初めてです。うードキドキする。しかし慣れるとすっごくやり易い。スキンシップも楽しいぞ。
風呂から出ると義弟が軽口を叩きました。「いつも彼女をホテルに連れてって花火観てたんですか。やらしい」いやいや初めてです。どん!…と音がして始まりました。だけど、あれ…見えない…?
いや。ちょっと見える!ホラ。マンションの上にちょっとだけ青い花火が見えるでしょう……!
えーと。結果は惨敗でした。やっぱり見えない部屋だから空いてたんだよなあ…。フロントマン、逞しいぞ! 俺、詰めが甘いぞ! 義兄よ。モテモテのやり手だったらこんなミスは犯さないよね…。
でも三人で冗談の応酬です。「やっぱ音がいいすね」「赤んぼはこの“音”が花火だって思うね」「納涼感ばっちりだね。音が」
まぁ…二人とも明るくてよかったです。滑り込みで暑気払いが出来ました。えーと、なんでも予約は早めに。鉄則ですな。
■過去の記事
第6回:カワイー息子のために、保育園をハシゴする
第5回:京都で関西おばちゃんパワーを目撃する
第4回:親バカと「ホームレス中学生」初号試写
■関連記事:
「ホームレス中学生」撮影現場リポート
「ホームレス中学生」映画化、小池徹平が麒麟の田村を演じる
「奈緒子」三浦春馬、古厩智之監督インタビュー |
 |
 |
 |
 |
[古厩監督のなんとかかんとく日記]
「奈緒子」「ホームレス中学生」の映画監督・古厩智之監督がおくる連載コーナー。(毎週木曜日更新)
|
 |
 |
 |
|
|
 映画監督:古厩智之
1968年長野県生まれ。大学在学中に撮った短編映画「灼熱のドッジボール」で92年ぴあフィルムフェスティバル・グランプリを受賞。94年に同賞スカラシップで初の長編「この窓は君のもの」を監督。「まぶだち」(01)でロッテルダム映画祭グランプリを受賞。他に「ロボコン」(03)、「さよならみどりちゃん」(05)、「奈緒子」(08)など。新作は、小池徹平主演「ホームレス中学生」。 |
|