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えーっと…「ホームレス中学生」。一度完成したんですが、ほんの少し音を入れ直す必要ができまして。再びスタジオにやってきました。麻布十番の老舗、アオイスタジオです。
そういやこの町にはこないだまで麻布十番温泉て公衆浴場があったんですよね。例えばスタジオで作業が始まる2時間前、黒湯の湯船にゆったり浸かる。出て来るとステージがある大広間の休憩所に直行。おばちゃんやおじちゃんたちがとにかく演歌を歌いまくっている。僕はビールを飲みながらそれをぼんやり眺めたりして。おばちゃんがよくお菓子をくれたなあ…。そうしていつもすっかりスタジオに行く気をなくしていました。あのだらだらな時間をもう持てないと思うと寂しい。あそこに集まっていたおっちゃんおばちゃんたちはどこにいるのだろう。
しかし麻布十番には他にもまだ、激ウマ豆菓子の豆源や、並ばなきゃ買えない鯛焼き屋やらいろいろあって。あ。超ウマの釜飯屋もあった。好きな町です。 |
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| でもってスタジオです。卓の前に座る俺です。監督なんで卓の前でやることなんて殆どないんですが、ミキサーKさん(緑のTシャツ)にお願いしてやらせ写真を撮らさせてもらいました。ホントに監督ってのは腕に何の仕事もない。誰だって出来る仕事ですね。卓の前でも目の前のが何のスイッチかさっぱりわからず頬杖だけしてみました。 |
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Kさんたちと会うのもひと月ぶり。Kさんは他の映画の現場に出ていて帰ってきたばかり。真っ黒です。まさかまた「ホームレス中学生」やるとは思ってなかっただろうなあ。 スクリプターのPさん、プロデューサーのMさんとも3週間久々の再会。いやはや。もうこの作品8ヶ月くらいやってるよ。二人とも家族と再会したような気分になりました。
多かれ少なかれどんな撮影現場でも。この「家族みたいな感じ」ってのは共通してて。スタッフみんなに心強いお父さんや、活発なお姉さん、なんて個々の役割が出来て。せっかく家族のようになったのにまた何事もなかったかのように「またな」と別れて行く。それが心もとなくもせつなく。センチメンタルですが「映画」という媒体を作る時にぴったり来るなあと思います。昔の映画ですが旅する楽隊を描く「バンドワゴン」なんてのはその疑似家族の喜びと悲しみを描いてたなあ…。傑作です。
さて、僕は「ダメなお兄さん」くらいの役割なので久々に会ったプロデューサーMさんに、領収書を取るのを忘れていた交通費の精算をしてもらいました。ありがとう! ごめんなさい! 領収書って、ついもらうの忘れちゃうんですよねえ…。 |
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■過去の記事
第8回:息子が一ヶ月、吉祥寺の写真屋で記念写真
第7回:家族揃って、二子玉川の花火鑑賞を計画
第6回:カワイー息子のために、保育園をハシゴする
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[古厩監督のなんとかかんとく日記]
「奈緒子」「ホームレス中学生」の映画監督・古厩智之監督がおくる連載コーナー。(毎週木曜日更新)
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 映画監督:古厩智之
1968年長野県生まれ。大学在学中に撮った短編映画「灼熱のドッジボール」で92年ぴあフィルムフェスティバル・グランプリを受賞。94年に同賞スカラシップで初の長編「この窓は君のもの」を監督。「まぶだち」(01)でロッテルダム映画祭グランプリを受賞。他に「ロボコン」(03)、「さよならみどりちゃん」(05)、「奈緒子」(08)など。新作は、小池徹平主演「ホームレス中学生」。 |
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