[取材]
東京国際映画祭コンペティション部門への正式出品が決定している、妻夫木聡主演作「ブタがいた教室」の完成披露試写会が4日に開催され、上映前に舞台挨拶が行われた。舞台上には、担任の星先生に扮した妻夫木とメガホンをとった前田哲監督、26人の子ども達、そして子ブタが登場した。本作は「食べる約束」で、1年の間、子ブタ(Pちゃん)を飼い始めた新任教師と小学6年生の子ども達が、成長したPちゃんを“食べる、食べない”で命の問題にぶつかり合う物語で、1993年に実際に行われた授業が基になっている。
13年前にドキュメンタリー番組を見てから、ずっと映画化したいと思ってきたという前田監督は、「妻夫木くんが、最初に子ども達と出会ったときのことを、ずっと忘れない」と話す。「26人を集めた教室に妻夫木くんが入ってきたとき、黒板にイキナリ文字を書いたんです、一期一会って。それで“みんな、一期一会って知ってるか?”って話をされて。ええっ、もうすでに教師やん!みたいな(笑)。その瞬間に、これはイケルと感じた」そうだ。
まさに役になりきった妻夫木。「教育というのは目指すところがあって、それに導いてあげることだと思っていたんです。けれど、この原作は、答えがないところに向かっていって、さらに答えがないまま終わっていく。それは教育じゃないと言われたら教育じゃないのかもしれないけれど、子ども達には、言葉では言い表せないものが与えられたと思うんです」と真剣な顔で話し始めた。
今回の教師役は、俳優というものへの考え方も変えた。「いつもだったら演技プランを立てて、こうしようああしようって考えたりするんです。けど今回は、一教師として子ども達に何が残せるかって、演技とはまた別の感覚で入っていきました」。しかし教師になりきるあまりに役者ということを忘れてしまう瞬間もあり、「休み時間に鬼ごっこをしたりして。汗をかいて怒られたりもした(笑)」とか撮影エピソードを明かした。
またなぜか妻夫木がPちゃんを抱くとオシッコ攻撃をされることが多かったそうで、靴がびっちょりするくらい漏らされ、靴を変えた後に抱きなおすと、大のほうまでされてしまったことも。いかにも爽やかな妻夫木の意外なエピソード披露に、会場からは大きな笑いが起こっていた。
この日の舞台挨拶でも、子ブタちゃんは興奮気味。実は、ブタちゃんが、ブヒー!ピギー!!とすごい声をあげている中での写真撮影となった。それでも妻夫木は「この映画は本当に観てもらわないと始まらない映画なんで。これは教育じゃないと言ってくれても、全然構いません。重いテーマですけれど、命の循環というものはこれだけ大切なものなんだと、改めてみなさんに知ってもらえたら本当に嬉しいです」と、最後まで真摯に言葉を投げかけていた。
賛否両論を巻き起こした実話の映画化「ブタがいた教室」は、11月1日、全国ロードショー。
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