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| もしブッシュが死んだら、チェイニーが彼の立場になりかわる可能性があるわけで、その意味で、ブッシュが生きている意味はあるかもしれませんね
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| なぜブッシュ大統領は暗殺されたのか…?世界中で上映拒否された超問題作が、遂に日本に上陸。野心的な問題提起と、斬新なエンタテインメント性を共存させる本作品の脚本と監督を務めたガブリエル・レンジ監督が、その真意や数々の批判に対する思いを赤裸々に語った。
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[ガブリエル・レンジ監督] イギリス、チェスター生まれ。ブリストル大学医学部で学んだ後、カーディフ大学大学院でジャーナリズムを専攻。英TV局で数々のドラマ・ドキュメンタリーを監督する。その妥当性、ナチュラリズム、誠実さから高い評価を受けており、本作『大統領暗殺』は、トロント国際映画祭で国際批評家賞を受賞した。
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『大統領暗殺』
配給:プレシディオ
10月6日(土)より、衝撃のロードショー
オフィシャルサイト |
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| まず、本作を紹介するときに使われる“フェイク・ドキュメンタリー”という言葉は日本ではあまり馴染みがないのですが、どういったものなのですか?
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| 自分としては、“ドキュメンタリーのスタイルを有したドラマ”と捉えているんですが…。ドキュメンタリーの真似をしている感じですね。
この作品で描きたかったのは、今日のアメリカと、アメリカがもつリアリティです。フィクションということで、色々な見せ方はできますが、その中でも現実の出来事、例えばイラク侵攻が与えた影響や、テロに対する戦いなどを基に、それらが喚起するものを表現したいと思いました。 |
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| ドラマを作る上で、なぜ敢えて現職の米大統領を主人公に据えたのか…。各所にそれなりの影響が出てくることは予想されたと思いますが、その辺の意図を教えてください。 |
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| 現職大統領が暗殺されるという題材は、とても挑戦的で扇情的だと思います。イラクの状況を描いた優れたドキュメンタリーはこれまでもいくつかありますが、それを私は別の角度で描きたかったんです。ブッシュ暗殺という扇情的なテーマを敢えて扱うことで注目を集めつつ、そこではない違うところに焦点を当てたかったんですね。
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| 本作は公開前から世界中で物議を醸し、日本でもタイトルやポスターを変えるよう映倫からチェックが入りました。これら一連の批判に対し監督が感じたこと、また最も驚いた批判もしくは処分がありましたらお聞かせください。 |
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現職の大統領が暗殺されるわけですから、当初から批判がくることは予想していました。ただ一番驚いたのは、製作発表をした段階で思った以上の強い反発があったことです。映画を観てもいないのに、この作品がブッシュの暗殺を奨励するものだと勝手な予想を立てられたんです。
私たちは、この映画をセンセーショナルなものだとも、後味の悪い仕上がりの作品だとも思っていません。モラル的な面からの批判もありましたが、逆に、モラルに反したことはしていないと、この作品をご覧になれば分かると思います。私たちはこの映画の中で、ブッシュの暗殺を勧めてもいませんし、彼の死を揶揄しているわけでもありませんから。
むしろ、もしブッシュが死んだら、チェイニーが彼の立場になりかわる可能性があるわけで、その意味で、ブッシュが生きている意味はあるかもしれませんね(笑)。
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| この作品の背景にある監督のお気持ちはどのようなものだったのでしょう? |
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どちらかというと驚きに近かったと言えます。私は9.11の直後、ニューヨークに少しの間住んでいましたが、当時、9.11の出来事とフセインを無理やりつなげようとする、シニカルな空気を感じたのを覚えています。
例えばテロリストが逮捕されると、晒し者として、犯人の顔写真を貼った看板を掲げていました。そうすることによって、ブッシュ政権は戦争を正当化したんです。「これは、あなたたち国民を守るための戦争なんだ」とね。メディアもその動きに大きく加担していましたね。それを見て、こういった状況こそ取り上げるべきことだと思ったんです。 |
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| まず良かったことは、この作品がトロント国際映画祭で国際批評家賞を受賞したことです。
あとはそうですね…、アメリカに入国するたびに、空港でイミグレーション(入国審査局)に呼ばれるんじゃないかとひやひやしています(笑)。 |
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| 監督はこれまで、イギリスのTV局でドキュメンタリーなどを制作していらっしゃいましたが、今後は映画にシフトを移されるんでしょうか?あと、大統領暗殺の日付を10月19日に設定したのには、なにか理由があるのですか? |
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今後の予定としては、テキサスが舞台のスリラー映画と、イギリスのFILM 4資本で、アフガニスタンを舞台にした作品を撮る予定です。両方とも実際に起こった出来事にインスパイアされていますが、ドキュメンタリーではないです。あ、テキサスが舞台の方は、別にブッシュ一族とは関係ないですよ(笑)。
10月19日という日付に関しては、撮影当時から世界情勢があまり変わっていないだろうと予想をつけた範囲で設定した結果なので、特に深い意味はないんです。ブッシュ政権が恐らくまだ存続し、チェイニーも現職の立場を保持できるくらいには健康で、イラクの状況も撮影当時とそんなに変わっていないだろうということが大事だったので。
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映画を撮る際の一番のインスピレーションは?との質問に、「人間の心の物語に強く惹かれる」と話していた監督。この作品も、センセーショナルな題材の裏には、実はまったく別の視点から立ち現われた人間とその家族の物語が描かれていました。
(取材・文・写真:星野ロカ)
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