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インタビュー
『24-TWENTY FOUR-』ジョン・カサー監督 インタビュー
『24-TWENTY FOUR-』ジョン・カサー監督 インタビュー
ジャックの“心の旅”がシーズン6のハイライトだ
今、圧倒的人気を誇る海外ドラマ『24-TWENTY FOUR-』。その監督と共同製作総指揮を務め、全シーズンのエピソードのうち1/3のメガホンを執るジョン・カサー監督が今年5月に来日! 9月7日にレンタル開始となるシーズン6の見どころや、製作ウラ話をたっぷりと語ってくれた。※Q5、7、8、9、10はネタバレあり、ご注意ください。
profile
[ジョン・カサー監督]
主にテレビの世界で活躍するディレクター。代表作に、『帰ってきた!! 白バイ野郎ジョン&パンチ』(98)『ニキータ』(97〜00)、C・トーマス・ハウエル主演の『イン アマゾン』(99・V)、『デッド・ゾーン シーズン1』(02)などがある。『24-TWENTY FOUR-』ではシーズンTで2話を監督、それ以降は各シーズンでおよそ10話分もの監督を務める。
『24-TWENTY FOUR-』
9月7日(金) シーズン6 DVDレンタルスタート
オフィシャルサイト
まずは『24-TWENTY FOUR-』シーズン6の見どころをお聞かせください。
ジャックの“心の旅”がシーズン6のハイライトだ。シーズン6では、シーズン5の終わりで中国に拉致され、2年間の拷問生活に耐えたジャックがどうやって日常生活に戻るのかが中心に描かれているんだ。これまでのシーズンと違う点は、これまではテロ攻撃をいかに阻止するかが課題だったのに対し、シーズン6では既にテロに晒されているアメリカが舞台だということだよ。

Q:新しく登場するキャラクターに関してはいかがですか?

シーズン6はこれまでになく新しいキャラクターが大勢、登場するよ。まず、大統領サイドはがらっとメンバーが一新される。CTUも、新スタッフが活躍することになる。シーズン1に出てきたマイロも復活するしね。あと、ジャックの父親と弟も登場する予定だよ。

Q:ジャックの家族についてもう少し教えてください。

これまでジャックの生い立ちについては語られてこなかったが、今回、それが初めて明らかになる。ジャックの父親と弟を知ることによって、彼がなぜああいう人間になったのかが語られるんだ。

Q:拷問シーンを減らすように米軍から要請があったというニュースは本当ですか?

真相はこういうことだ。イラクに派遣された米軍兵士たちが、情報を引き出すためにジャック・バウアーになりきってイラク人たちを拷問するという、実に残念な事件を起こしてしまったんだ。その事件の後、米軍から協力を要請されて、我々が兵士たちへ向けた啓蒙ビデオを作ることになったんだよ。ビデオの内容は、“『24』はあくまでフィクションだから真似はしないで欲しい”というものだ。

Q:そのビデオにはキーファー・サザーランドさんも出演されたのでしょうか?

私自身は直接そのビデオには関わっていないので、キーファーが出演したかどうかはわからない。だが、米軍からビデオ作成の依頼が合ったときは喜んで引き受けたよ。というのも、『24』は多くのエピソードが米軍のさまざまな協力によって製作されていて、軍とは非常に良い協力関係にあるんだ。でもだからといって、『24』の内容に関しては、我々は米軍からもFOXからも指示を受けたことは全くないよ。
リアルタイム手法をとることのメリットと苦労する点を教えてください。
良かった点より、苦労することの方がはるかに多いんだ(笑)。リアルタイム手法をとることでよかったのは、とにかく視聴者にとっての興奮だろうね。一秒たりともデッド・タイムがないということだから。

でも、製作する側としては“全てを見せないといけない”というのはとても難しいことなんだ。普通の番組なら、些細な動作や退屈なシーンは省くものだが、『24』は全てをやらないといけない。例えば、通常なら、悪者が誰だかわかったら次はアパートに乗り込んでいくシーンに切り替えることができる。でも、『24』の場合は、車に乗ってアパートに向かい、階段を上がってドアを開けて…と全ての過程を見せないといけない。だから、車に乗りながら電話をかけさせたりしないと辻褄が合わなってくるんだ。脚本家はすごく大変だし、実際に撮影をする僕もかなり大変だよ。
『24-TWENTY FOUR-』ジョン・カサー監督 インタビュー
CTUという舞台を設定したことでストーリーに影響はありますか?
いい質問だね。確かにシーズン6までやってきて、CTUという舞台は確かに必要だった。でも、CTUがあるために制約も受けてきたんだ。それにしても、日本は世界中のどの国よりもCTUが大好きだね(笑)。CTUも、ジャックが関わっていないと存在意義がない舞台なので、シーズン7以降はそのあたりがガラっと変わる予定だよ。まだ脚本を執筆している段階なのであまり詳しくは言えないけどね。

Q:では、シーズン7はテロではなくなるということですか?

そうだね。必ずしもテロリストではなくなるかもしれないよ。 シーズン1を思い出していただきたい。あのときは、たった一人の人物、デヴィッド・パーマーを死から守るというだけのストーリーだった。それだけでも、十分エキサイティングだったはずだ。もう我々は核爆発までやってしまったから、これ以上大きな話にはできないんだ(笑)。デス・スター(※映画『スター・ウォーズ』シリーズに出てくる架空の宇宙要塞)が攻めてくるくらいのことをしないとならない(笑)。だから、シーズン7では少し原点に戻ることを考えているんだ。
『24』のストーリーは極秘扱いだと思いますが、こうしてお話してくださるということは、カサー監督ご自身も物語を練り上げる段階から関わっていらっしゃるんですか?
そうだよ。シーズン7に関しては、今までに1回だけミーティングの機会をもった。だからこのくらいしか話せないんだけど、今、脚本家たちが書いているところだ。

Q:ということは、シーズン7で誰が死ぬかももう決まっているのですか?

いいや(笑)。まだその段階ではないよ。
では、誰がどの段階で死ぬかというのはどうやって決めるのですか?※シーズン5までご覧になっていない方は読まないようご注意ください。
誰が死ぬかを決めるのは僕ではなく、10名の脚本家たちだ。でも、脚本家たちは「よし、あいつを殺そう」と思って脚本を書くわけじゃない。全ては物語が展開していく中で、そうしなくてはいけないからキャラクターを死なせるんだ。

例えばシーズン5ではエドガーが死んだけど、あのシーンで、視聴者が知らないCTUの職員が死んでも意味がない。エドガーが死ぬからこそ、CTUがいかに危機に晒されているかが身に迫って伝わるんだ。


Q:監督ご自身も物語の展開に驚くことがあるんですね?

その通り。エドガーのときも、思わず脚本家に「えっ、エドガーが死ぬの?」と聞いてしまったくらい驚いた。ショックだったよ(笑)。でも、僕を驚かせることができた時点で、その脚本はパーフェクトなんだ。
『24』ファンとしてはいつまでも続いて欲しいというのが本心ですが、とりあえず契約はシーズン8までということでしたよね。物語のエンディングについてはどうお考えですか?
『24』を終わらせることは考えていないよ。というのも、僕たちとしてはテレビでの放送が終わっても、引き続き映画を作りたいからね。そうなると終わらせるわけにはいかない。

Q:では、ラストでジャックが死ぬんじゃないかという心配は要らないですね?

君はどっちがいいんだい(笑)?

Q:(笑)。なるほど、わかりました。

僕たちとしても『24』はずっと作り続けていきたいんだ。『24』に関わる誰もが、作品に対して愛情と尊敬を持ち続けている。その点は監督も脚本家も俳優も心は同じだよ。キーファーが続投することができて、脚本家がいいストーリーを書ける限りは続けたいというのが正直な気持ちだ。でも、同じことを繰り返すようになったり、作っている僕たちが退屈するようになったらやめようと思う。視聴者に出来の悪いプロットだけは見せたくないんだ。僕たちはこれまでに6シーズン面白いドラマを届けることができたと自負しているし、シーズン8まではいいストーリーができると思ったから契約したんだ。最後まで質を落とさずに面白いドラマを作り続けること、それが僕たちのゴールだ。
シーズン1の前の物語や、シーズンとシーズンの間の物語を作るつもりはありませんか? そうすれば死んでしまったキャラクターも蘇らせることができますよね?※シーズン3のネタバレがあります。未見の方はご注意ください!
それは僕たちも考えたことがあるんだが、問題にぶつかってやめてしまったんだ。僕たちはシーズン3が終わったとき、ニーナなど死んでしまったキャラクターを戻して過去の物語を書こうと考えた。でもそれには決定的な問題があって、というのも、一度死んでしまったキャラクターを復活させると、視聴者はそのキャラがどんな危険に晒されてもそこでは絶対に死なないということがわかっているよね。そうすると、ストーリーが面白くならないんだ。知っての通り、『24』は“いつ誰が死んでもおかしくない”というところが面白いわけだからね。一度死んだあとに過去の物語を作ると、とてもつまらないストーリーになってしまうんだよ。
監督という立場上、言いづらいかもしれませんが、密かにお気に入りのキャラクターがいたりしますか?※シーズン3のネタバレがあります!
まず断っておくけど、僕は出演している俳優全員が大好きだよ。でも監督として好きなのは、二面性のあるキャラクターだ。例えば、シェリー・パーマーやニーナ・マイヤーズ。彼女たちは優しいところもあれば、悪人の面もある。ジャック・バウアー、ジョージ・メイソンやシャペルもそうだ。視聴者は最初はシャペルを嫌っていたが、彼が殺される場面では涙を流しただろう? 監督としてはそういった二面性を持ったキャラクターを作る方が難しいし、同時にやりがいもあるんだ。
演じているキャラクターと実際の性格に一番ギャップのある俳優はどなたですか?※キャラクター説明によるネタバレがあります!
断トツでギャップがあるのはローガン大統領を演じているグレゴリー・イッツェンだね。実際の彼はかなりハジけたヒッピーなんだ(笑)。サンダル履きで耳にイヤリングをしてタトゥーも入れてるし(笑)、街を歩いていても彼だと気付かないと思うよ。

あと言えるのは、悪人を演じている俳優のほとんどが実際はすごく優しくていい人だということだ。ニーナは本当に素晴らしい女性だし、マルワン(※シーズン4の悪役)を演じたアーノルド・ヴォスルーなんて世界一優しい男だよ(笑)。
シーズン5まででジャックに訪れた最大のピンチと最悪の敵を挙げるとすると?※シーズン5のネタバレがあります!
中国かな。シーズン5の最後にジャックがかなりひどく痛めつけられたけど、あのシーンが最大のピンチであり、中国が最悪の敵だ。アメリカの敵はジャックの敵だからね(笑)。ちなみに、日本は大好きだよ(笑)。
編集部の呟き
この日の取材に集まった記者たちは、紛れもなく大の『24-TWENTY FOUR-』ファン。もちろん質問が退屈なものになるはずはなく、気になるシーズン6の展開や撮影の舞台裏、映画版『24』の進行状況、さらにはシーズン7の構想まで、日頃からファン同士で話が尽きることのないアレコレをたっぷり聞き出すことができた。気さくなナイスガイ(でも佇まいはダンディで不敵〜)といった感じのカサー監督は、言葉の端々から『24』に対する自信と愛情が感じ取れ、主役のキーファー・サザーランドをはじめ、出演者が絶大な信頼を寄せるのも大いに納得。このまま映画版まで突っ走っていただきたい!
(取材・文:山内真理子 写真:佐藤裕美子)

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