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| 『ロード・オブ・ザ・リング』や『ハリー・ポッター』シリーズに対抗できるとしたら、自分の本当の体を使ったリアル・アクションしかない。 |
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| “ノーワイヤー、ノーCG、ノースタントのアクション純度100%”を唄い文句に、昨年夏、大ヒットを飛ばした前作『マッハ!』からわずか1年半。再び同作の製作チームが結集して、「前作が挑んだ限界値を超えるアクション映画を生み出す」と豪語して作り出したのが本作である。『マッハ!』ではアクション監督を務めた本作の監督パンナー・リットグライと、新たなアクション・スターとして脚光を浴びるダン・チューボン、実際のテコンドー選手でもある、ゲーサリン・エータワッタクンに、本作の魅力について話を聞いた。 |
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[パンナー・リットグライ監督]
62年生まれ。少年の頃にブルース・リーをはじめとするカンフー映画に影響を受け、スタントマンになるためマハサラカム体育専門学校に入学。卒業と同時にアクション監督のアシスタントに就きながら映画を勉強し、25歳の時に低予算映画『BORN TO FIGHT』を監督。そして03年、愛弟子であるトニー・ジャー主演の大ヒット作『マッハ!』でアクション監督を務め、一躍有名となった。 |
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『七人のマッハ!!!!!!!』
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
12月3日(土)より銀座シネパトスほかにてロードショー
オフィシャルサイト:http://c.gyao.jp/movie/7mach/ |
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| 監督、そもそも今回は何故スポーツとアクションを融合させよう思ったのですか? |
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| パンナー・リットグライ監督:何か目新しいアクション映画を撮りたいと思ったからです。例えばいろんなアクション映画、ガンアクションや戦争アクション、マーシャルアーツというのはよくあると思うんですけど、体操選手というのはもともと身体能力が高いので、これをアクションにしたら、面白い話が出来るんじゃないかな、と思ったので取り入れました。 |
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| 今回ダン・チューポンさん、ゲーサリン・エータワッタクンをキャスティングした理由を教えて下さい。 |
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| パンナー・リットグライ監督:ダンはもともと私のスタントチームに入っていました。このチームにはデビュー前のトニー・ジャーもいたのですが、私がトニーに教えたことを、トニーが彼に教えて鍛えていたのです。ダンは他のスタントマンよりも能力が飛び抜けていて、『マッハ!』でもスタントマンをやってもらったのですが、「今回は彼がいいんじゃないか」というプロデューサーの言葉もあり、本作の主役に選びました。彼の一番の魅力は、能力もそうですが、“アクションバカ”なところです。私たちの映画の魅力は、とにかく危険なアクションシーンばかりなのですが、彼なら勇気をもってやってくれるだろうと思いましたね。
ゲーサリンについては、まずタイを代表するテコンドーの国体選手であったこと、それからご覧の通り、他のスポーツ選手の中では顔が一番綺麗だったからです。その他にも、とてもかっこよく、優美なアクションができるところが、観る人を魅了するだろうと思い選びました。
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| ダンさん、この話が最初に来た時、前作がヒットしただけにプレッシャーなどはありませんでしたか? またトニー・ジャーさんからはアドバイスなどがありましたか? |
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| ダン・チューポン:もちろんプレッシャーはありましたが、前作のプレッシャーというよりは、自分のことのほうが心配でした。というのも、僕はもともとスタントマンの一人で、たまたま運良く映画の主役になれましたが、最初はあまり自信がありませんでした。だから、今回はちょっと頑張りすぎたところがあります。でも頑張りすぎると、演技が固く不自然な感じになって上手く出来なかったので、真面目すぎるのも良くないと思いました。でも、映画の主役に抜擢されるということは、人生においてめったにないことなので、とってもうれしかったです。スタントマンの時は、パン監督やトニー・ジャーとか、その他の皆さんと一緒に仕事が出来るならそれで十分だと思っていたんですが、今回主役に選ばれて、人生の最高の収穫だなと思います。
トニーとは残念ながら、撮影中はほとんど会えませんでした。彼は『トム・ヤム・クン(原題)』の準備で忙しくて、僕は自分の映画で忙しかったので。でもたまに会うと、アクション・テクニックなどを教えてもらいました。また、一緒にトレーニングする機会もあったので、その時はこっそり見てテクニックを盗み、自分で応用して練習していましたね。 |
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| 俳優のお二人にうかがいます。危険なシーンが多く盛り込まれている今回の映画に対して不安はありましたか? また監督は、彼らの不安を取り除くためにどうしましたか? |
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ゲーサリン・エータワッタクン:私自身は怖くなかったです。撮影前にもワークショップもありましたし、撮影する度にスタッフに訓練をしてもらいましたから。あと、スタッフがいつも万全な安全対策をしてくれていました。
ダン・チューポン:僕の場合も、提案されたアクション・シーンは怖かったですけど、同じように、スタジオでワークショップをやってもらったり、監督が「100%安全でなければ絶対に撮影はするな」と言ってくれて、スタッフが対策を考えてくれたので安心して出来ました。
パンナー・リットグライ監督:まずアクショ・ンデザインを考えたら、例えば車から落ちるシーンなどは、スタッフにどうやって安全対策をとるのかというのを十分考えてもらいました。で、対策がとれたところで、スタントマンに何度も何度も練習させて、ちゃんと確認してもらったので、俳優たちは自信もつき恐怖心も少なくなったと思います。 |
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| ダンさん、一番大変だったシーンはどこでしたか? 最後のほうに、バイクに乗って敵の車に突っ込んで炎上させるシーンはかなり危険だと思いましたが。 |
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ダン・チューポン:そのシーンも確かに難しかったのですが、アクション・シーンは全部大変でした。特に難しかったところは、冒頭のコンテナ車から落ちるシーンと、もう一つは森の中で火の棒を使って戦うシーンです。森での戦いのシーンは、とても短いんですけど、2晩かけて撮影をしました。怪我もしました。夜の7時から朝の6時までぶっ続けで撮影して、スタッフが次のシーンの準備をしている間も、いつでもスタンバイできるようにウォーミングアップして走り回っていました。あのシーンは火の棒を使って叩き合うのですが、あんまり軽いと棒が折れてしまい、長い撮影に耐えられないことから、だんだん木の棒が固く重くなってきて大変でした。あと火の粉が服の中に入ったり、腕に飛んできたりするんですけど、カットという声がかかるまでは、熱かろうがどうなろうが演技を続けなきゃいけないので、「カット!」の声がかかるとすぐ水をひたした布をつけて消していました。このシーンが一番大変でしたね。
パンナー・リットグライ監督:あれは本物の火だったのですが、実はちょっとジェルが塗ってあって、そんなに危なくない火だったんです。実際演技させる前に、棒につけて試してから撮影をさせました。
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| 撮影は危険なシーンが多くて、「好き」というだけではなかなか出来ない仕事だと思いますが、そこまでして演じる理由は何ですか? |
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ダン・チューポン:それは三つあります、一つは本当に好きだから。二つ目はこれを自分の仕事と決めたから。そして三つ目は自分の人生を良くしてくれることだからです。それは自分だけの話ではなくて、家族や後ろで支えてくれるスタッフのためでもあります。これが出来なければチャンスもなくなってしまうので、やるしかないんですね。あとは、やはり観る人に夢というか、娯楽を与えたいという気持ちがあります。
ゲーサリン・エータワッタクン:もともと私はアクションが好きでしたし、自分の好きなことに挑戦するのはすごく充実感があります。だって、実生活では絶対、こんなことしないでしょう。だから、自分が“やってみたいな”と思っていることが出来るのは、私にとってすごく幸せなことです。出来上がった作品を観ても、すごく感動しますし、ファンがいっぱい増えるのもうれしい。いつも応援してくれる家族もきっとそういう風に思ってくれていると思います。
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| 監督、『マッハ!』より、今回は残酷なシーンなどもあって、シリアスな雰囲気が漂っていましたが、前作との大きな違いは何ですか? |
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パンナー・リットグライ監督:大きな違いは、例えば本作は愛国心や、団結といったものを描いているところですね。アスリートという人たちは、もともとは国のためにスポーツをする存在です。今回、村の虐殺シーンや銃撃シーンがなければ、団結力といったエネルギーを爆発させようがないと思います。本作は、そういったエネルギーを持った危険なアクション映画なのです。
また、こういった危険なアクション・シーンを売りにするのは、タイ映画だから、という意味があります。例えば外国人に見せるとして、『ロード・オブ・ザ・リング』や『ハリー・ポッター』シリーズに対抗できるとしたら、自分の本当の体を使ったリアル・アクションしかないですからね。
ダン・チューポン:あと、観客たちにテロリストへの怒りを爆発させて欲しい、そして僕たちが戦うことによっていい気持ちになり、スカッとして欲しいという思いもあります。 |
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| ダンさん、今お話された村の襲撃のシーンは、現場でもかなり緊迫感があったと思いますが、どのような気持ちで演じられましたか? |
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| ダン・チューポン:例えば、核兵器が飛んでいく時のシーンでは、両親のことを考えました。タイ人は過酷なシーンになると、両親のことを考えます。どうしても爆弾をバンコクに落としたくない、自分の両親を守りたいという気持ちと、“もしここで止められなかったら、一体何のために、誰のために戦ってきたんだ?”という思いで演じました。 |
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| ゲーサリンさんは実際にテコンドーの選手ですが、映画で戦うこととの違いは何ですか? また、今後も演じる予定はありますか? |
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| ゲーサリン・エータワッタクン:試合をするのと演じるのとは全然違います。試合には制限時間があってやり直しができません。集中力がすごく必要になります。映画は確かに集中力がいるのですが、相手役の安全も考えてやらなければいけません。というのも、これから何カットも撮るので、その度にいちいち倒していたら相手役の体が持ちませんから。その他にも観客が見てかっこいいな、と思うように、強く打っている振りをして力は軽く、なおかつ優美に見せるように打つのが大変でした。
今後も、もちろん演じていきたいですし、皆様にお見せできる映画も作れると思います。 |
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| 最近、日本でタイ映画を上映する機会が多いですが、それについてどう思いますか? |
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ゲーサリン・エータワッタクン:
本当にうれしいです。私が映画制作に携わった時は、外国でタイ映画を上映するのはすごく難しいことでした。でも今は日本だけじゃなくて、香港、フランス、アメリカなど、いろんなところで上映されていますよ。こんな小さな国の映画が外国に出て行き、映画を通して、タイという国やタイ人の能力を知ってもらうというのは大変うれしいです。日本の皆さんにも感謝を申し上げたいです。
ダン・チューポン:以前と比べると、タイ映画市場もすごくハイテクになってきましたし、いい人材が出て来て、外国で上映されるようなタイ映画が作られてきたと思います。以前はタイ映画産業は非常にドメスティックなものだったんですけど、今日本やアメリカ、ヨーロッパ各国で上映されるというのはすごく誇らしいことだと思います。
ゲーサリン・エータワッタクン:私もタイ映画が世界市場に出て行くというのはとてもうれしいです。実際に日本に来てみて、文化に影響を与えていると思いました。日本でムエタイをやっている人が多いことには驚きましたね。すごくうれしいですし、ありがたいことです。 |
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監督、主演男優、助演女優と3人一緒に行われたインタビューだったが、まず驚いたのが、皆さん、アクションをやっているとは思えないほど小柄なこと(やや小さめの三人がけのソファーにまとまって座っていたのが妙に可愛かった……)。この小さな体の、一体どこにあんな人並み外れた身体能力があるのだろうと、最後まで疑いが晴れないインタビューアーをよそに、三人はまるで親子のように仲睦まじく、じゃれ合っていました。
また、ゲーサリンさんは劇中では“強い女”爆裂でしたが(ポスターの顔もかなり爆裂)、実際は健康的な正真正銘のタイ美人。笑うと崩れるチャーミングな笑顔に、同性ながら照れてしまいました。ちなみに、ダンさんが次回作について、「今撮っている映画のほうがかなり危険なアクションです」と言っていましたが、あれ以上危険って……、もう想像すらできません。 (取材・文:あいあい) |
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