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インタビュー
『キャプティビティ』エリシャ・カスバート インタビュー
『キャプティビティ』エリシャ・カスバート インタビュー
必死な思いから恋が生まれてしまうことがあると思うけど、この映画でもそこに焦点をおいているんじゃないかしら
『キリング・フィールド』『ミッション』でアカデミー賞にノミネートされた実績を持つ名匠ローランド・ジョフィ監督が、初のスリラーに挑んだ本作『キャプティビティ』。全米ではそのあまりにも過激な残酷描写に上映が延期されたといういわくつきの本作品で、危機に立ち向かうヒロインを演じているエリシャ・カスバートが、撮影秘話、女優道、そして気になる『24-TWENTY FOUR-』について語ってくれた。
profile
[エリシャ・カスバート]
1982年、カナダ生まれ。10代半ばから女優としてカナダのTVシリーズなどに出演。FOXの超人気TVシリーズ『24-TWENTY FOUR-』では、主人公ジャック・バウアーの愛娘キンバリー・バウアー役を好演し、その人気と知名度を世界的なものとした。主な出演映画作品は、『ラブ・アクチュアリー』(03)、『ガール・ネクスト・ドア』(04)、『蝋人形の館』(05)など。日本でも大ヒットした韓国映画『猟奇的な彼女』のハリウッド・リメイク版『マイ・サッシー・ガール(原題)』では主演を務めている。
『キャプティビティ』
配給:CKエンタテインメント
9月15日よりお台場シネマメディアージュほかにて全国公開
オフィシャルサイト
エリシャさんが本作で演じているジェニファーは、ある日突然、顔もみえない犯人に理由も分からず密室に閉じ込められ、言う通りにしないと拷問されるという極限の状態を強いられます。見えない相手に対する恐怖やパニックを演じなければならないということで、通常とは異なる演技力を求められたと思いますが、内面の恐怖を表現するためにどのようなアプローチをとりましたか?
簡単に言えば、ずっとパニックモードに入ることを心がけたの。出たり入ったりは疲れるしね(笑)。そのために、自分が同じ状況に置かれたらどうするか、ジェニファーの精神状態を想像することに集中したわ。密室に一人きりというシーンが多かったから、周りの音をよく聞いて、あたかも部屋自体が相手役であるかのように演じた。決して楽ではなかったけれど、それはオファーを受けたときから分かっていたし、だからこそこの役を受けたの。今までやったことのない演技にチャレンジしたかったのよ。
今回に限らず、今までの出演作はどれもチャレンジングでハードな役が多いと思うのですが、作品選びのポイントは?
まずそのキャラクターに対して共感できるか、自分が脚本以上のものをその役に吹き込めるかどうかを考えるわ。全く共感がもてないキャラクターを演じることは私にはできないの。そういう理由で、今まで断ったオファーもいくつかあるわ。でも、そうやって妥協せずに仕事をしていれば、たとえその作品がヒットしなくても、自分の演じた役に対して誇りをもてるものよ。 あとは、オファーであれオーディションであれ、チャンスは向こうからやってくるので、自分にとってプラスとなる役かどうかを的確に判断するよう心がけているわ。

Q:今後どんな作品に出演したいですか?

それは難しい質問ね。タイミングとか、自分に合う合わないがあるから一言では言えないけれど、強いて言えば、今までやったことがない役かな。
次々と危機に見舞われ、それを一人で切り拓かなくてはならない今回のヒロイン像は、『24-TWENTY FOUR-』のキム・バウアーを彷彿とさせましたが、『24-TWENTY FOUR-』での経験が生きた部分はありましたか?
基本的に、キムと今回のジェニファーは、全く違うアプローチをとっているの。キムは受動的で、周りで起きたことに対して反応するタイプだけど、ジェニファーは自分からアクションを起こしていくタイプよ。なんといってもジェニファーの場合は“ジャック”が助けに来てくれないしね(笑)。でも仰るとおり、『24-TWENTY FOUR-』での経験は、今回に限らず大いに役にたっているわ。

Q:TVドラマと映画はかなり違うのでは…?

もちろんよ。あと同じ映画でも、作品によって全然違うわ。キャラクターによってアプローチの仕方も変わってくるし…。まあ『24-TWENTY FOUR-』に関して言えば、あれはTVドラマというより、むしろ映画に近い作りだったけど。

『24-TWENTY FOUR-』では、シーズンT〜Vまで続けて3年間、キムを演じたの。だから当時はキムが分身みたいで、あまりにも自分自身と近づいてしまっていたから、1年半ブランクをおいてシーズンXに出演することが決まったときは、ちゃんとキムに戻れるか不安だったわ。でもセットに一歩入ると、すぐに戻れるものね。そういう風に、TV、映画関係なく、無意識の内にキャラクターが生まれることもあるわ。
有名な古典的ホラー『肉の蝋人形』をリメイクした『蝋人形の館』(05)にも主演されましたが、ご自身もホラー好きなのですか?
ええ、好きよ。と言っても、公開されるホラーを端から全部観るほどマニアではないけれど(笑)。 以前、一人の男性がエイリアンに拉致されるという、実話に基づいた映画(邦題:『ファイヤー・イン・ザ・スカイ/未知からの生還』)を観たときは、1年半くらいトラウマが続いたわ。あとは『ブレアウィッチ・プロジェクト』。あれにもすごくはまったわね。
『キャプティビティ』エリシャ・カスバート インタビュー
日本で公開される『キャプティビティ』は、アメリカ版と異なるエンディングだそうですね。ローランド・ジョフィ監督が気に入っているのは日本バージョンとのことですが、エリシャさんはいかがですか?
どちらも好きよ。でも俳優は監督のために演じている部分が少なからずあるから、監督が気に入っている終わり方の方が、私も嬉しいかな。 ただ正直言うと、エンディングが何パターンかあるというのは、演じる側にとって少し複雑なものなの。だって「私は最後にこれを言うために、2時間演じてきた!」ってはっきり言いきれないわけでしょう?

今回の2種類のエンディングも、アメリカ版では、生き延びられて良かった、で終わるけれど、日本版では、人生を一変させるような悪夢的経験を乗り越え、そのことによって今までだったら想像もつかなかった別の人生を歩んでいくことになる…。全く正反対と言ってもいいメッセージよね。
『キャプティビティ』について監督は、「心理スリラーであると同時にラブストーリーでもある」とおっしゃっていましたが、この作品のラブストーリーとしての面白さはどこらへんにあると思いますか?
確かに監督は、この映画でもっとも好きな要素はラブストーリーの部分だと言っていたわ。極限状態で生まれる愛について、どういった状況で男女が惹かれあうのか、監督はすごく興味と魅力を感じていたようよ。正に愛は盲目ね。必死な思いから恋が生まれてしまうことがあると思うけど、この映画でもそこに焦点をおいているんじゃないかしら。
編集部の呟き
とにかくとっても気さくな女の子!取材準備をしていたら、様子伺いにバスルームからそーっと顔を出したエリシャ。目が合うと「ハ〜イ」とひらひら手を振ってにっこり笑う飾り気のなさに、こちらの力もすっかり抜けてしまいました。エリシャファンにとって何よりも気になるのは、今後の『24-TWENTY FOUR-』に出るかといいうことでしょう。「シーズン6には出ていないわ。今アメリカではシーズン7を撮影中で、プロデューサーとはいつもキムが戻る可能性を話しているんだけど、まだ実現していないの。映画版も同じよ。話はするんだけれど…。いつオファーの電話が鳴るか、私も待っている最中なの」とあっけらかんと話してくれました。ちなみに金髪がめちゃめちゃきれいだったです。
(取材・文・写真:星野ロカ)
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