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| 実は、こういうシナリオと出会うのを、ずっと待っていたんだ
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| その過激なバイオレンス描写から、“香港の三池崇史”として国内外から注目を浴びるソイ・チェン監督のバイオレンス・アジアン・ノワール『ドッグ・バイト・ドッグ』。この作品で金馬賞最優秀主演男優賞にノミネートされ、新境地を開拓したサム・リーが、プロモーションのため来日。デビュー作の『メイド・イン・ホンコン』以降、日本にもファンの多いサムだが、本作品への思い、役者としての生き方などを、赤裸々に語ってくれた。
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[サム・リー] 1975年、香港生まれ。電気関係の技師だった彼は、路上でスケートボードをしているところをフルーツ・チャン監督にスカウトされ、97年『メイド・イン・ホンコン』の主演で鮮烈デビュー。第17回香港電影金像賞で最優秀新人賞を受賞した。その個性的なキャラクターから、以降、香港映画に欠かせない存在になる一方、DJやラッパー、モデルとしても活躍、また自身のオリジナルブランドを設立し、若者のファッションリーダーでもある。主な出演作品は、『花火降る夏』『ジェネックス・コップ』『ピンポン』。公開待機作に、『夜の上海』(07年公開)、『さそり(仮題)』(08年公開)がある。
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『ドッグ・バイト・ドッグ』
配給:アートポート
8月11日(土)より3 weeks限定ロードショー
オフィシャルサイト |
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| 当初、エディソン・チャンが演じた殺し屋パンをサムが、サムが演じた刑事ワイをエディソンが演じる予定だったと伺いましたが、もしパンを演っていたら、どうなっていたと思いますか?
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僕も脚本を最初に読んだとき、自分には殺し屋の役が合っているだろうと思ったんだ。でも監督が、君が殺し屋、エディソンが刑事という配役は観客にとっても容易に予想がつく。今回はその予想を裏切りたい、と言ったんだ。それで役をスイッチしたんだよ。
でも正直、僕だったらエディソンよりももっと鬼気迫る殺し屋を作り上げていたと思うよ。それは、この作品の後半で豹変したワイをみてもらえれば分かるんじゃないかな。
Q:かなりハードな暴力シーン、バトルシーンもけっこうありましたが、スタントは使ったんですか?
全部自分でやったよ
Q:けがはなかったんですか?
(日本語で)チョットダケ。(笑) |
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| ソイ・チェン監督は、現在国内外で高い評価を受けている気鋭の監督ですが、彼との仕事、そして現場はどうでしたか?
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監督と初めて会ったのはコメディ映画の現場だった。当時、彼は助監督だったんだけど、僕たち二人とも年も近くて仲がよく、まあ作品もコメディだったし、冗談の飛び交う楽しい現場だったんだ。その後、彼が監督したホラー映画にゲスト出演した時は、少し大人になったと感じたね。
そして今回、『ドッグ・バイト・ドッグ』の現場で再会したんだけど、監督として、とても成長したと感じたよ。役者に対する演出やスタッフへの指示など、全てにおいてね。
現場は映画の内容がリアルなバイオレンス映画ということもあって、どことなく厳粛な雰囲気だったよ。 |
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| この作品で、台湾金馬賞主演男優賞にノミネートされましたが、サムさんにとってこの映画はどのような作品になりましたか? |
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実は、こういうシナリオと出会うのを、ずっと待っていたんだ。
10年前に『メイド・イン・ホンコン』でデビューしてから色々な作品に出てきたけれど、殆どコメディ系の役が多かった。自分としては、シリアスな役をやってみたいと思っていて、今回それがようやく叶ったんだ。10年かかったわけさ。
金馬賞は結局とれなかったけど、それでも嬉しかったよ。毎年あれだけ多くの映画がある中から、たった4人が選ばれ、ノミネートされる。その中に選ばれたんだ。自分の芝居が、いろいろな分野で通用すると認めてもらえたんだと思ったよ。
タイミングも良かったと思う。もし3年前だったら、こういう芝居はできなかっただろう。10年間、俳優のキャリアを積んできた今、このような役と出会えたことは、自分にとってもベストなタイミングだったと思うよ。そういう意味でも、この作品は自分にとって、大きな意味をもつものとなったね。 |
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| 様々なタイプの作品に出ていらっしゃいますが、サムさんにとって作品選びのポイントはどこにありますか? |
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| 出演作品は多くても、必ずしも色んなタイプの役を演ってきたとは思わないんだ。むしろさっきも言ったように、似たような役が多かったと思う。もっと色んな役に挑戦したいんだけどね。
どちらにしても以前は、作品を選ぶとき、監督、脚本、共演者を基準にしていた。でもこの作品以降は、脚本をより重視するようになったかな。これよりもクオリティの低い作品に出たくないからね。あとやっぱり監督だね。自分でも気づかなかった役者としての資質や可能性を引き出してくれる上でも、監督と脚本はとても重要なんだ。
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| 『メイド・イン・ホンコン』でデビューしてちょうど10年目ですが、この10年を振り返ってどう思われますか?また、同映画のフルーツ・チャン監督にスカウトされてデビューしたのは有名な話ですが、スカウトされていなかったら何をしていたと思いますか? |
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この10年、役者としてやってきたけれど、不安感は常につきまとっていた。今は仕事があるけれど、いつなくなるかわからない。忙しいと眠る暇もないのに、暇になったらびっくりするくらいすることがない。明日のご飯が食べられるか、家賃が払えるか、不安でしょうがない時もあったよ。
仕事がない時はバイトでもすればいいと思うかもしれないけど、以前のように気軽にできないんだよ(笑)。多少なりとも世間に顔が知れてしまっているからね。「あれ?サム・リーだ」「何やってるの?撮影?」という目で見られてしまう。だからどんなにつらくても後戻りはできないという気持ちでここまでやってきたよ。
デビューする前は電気関係の仕事をしていたから、役者になっていなかったら恐らくそっち系の仕事をしていたと思うな。自分で会社を経営していたかもしれない。
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(日本語で)ゼンゼンワカラナイ。(笑)
(広東語に戻り)フランス映画を撮影中だよ。今クルーはフィリピンにいて、9月末にはクランクアップの予定さ。『無問題2』(岡村隆史主演)では日本語だったけど、今回は全部英語なんだ。おもしろい経験だよ。
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「コンニチハー。サム・リーデース」と日本語で挨拶しながら取材部屋に入ってきたサム。今日の取材では、Tシャツやジーパンはもちろん、右手中指にしたごつめのリングやサングラスなど、上から下まで全て自身のブランド“Subcrew”でキメているそうで、Tシャツに至っては取材ごとに替えてくるというから、さすがおしゃれには定評のあるサム兄。取材中、通訳さんが話している間は、プレスをめくったり、おどけた顔をカメラに向けたりと、自由人オーラが炸裂していました。
(取材・文・写真:星野ロカ)
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