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| 全ての役は、自分でもあるということが大切だと思うんです
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| “ドナウの真珠”と呼ばれる首都ブダペスト。1956年、失われた革命とオリンピックの栄光があった。ハンガリー映画史上最高の動員を記録した感動作『君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956』。衝撃的な史実を伝える戦闘シーンや、当時の一戦を忠実に再現した水球シーンなど、見事なスケールと繊細な人間描写がふんだんに詰め込まれた本作で、主役のカルチを見事に演じきったイヴァーン・フェニェーさん。今回記念すべき初来日となるイヴァーンさんに映画に関する様々なことを伺った。
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[イヴァーン・フェニェー] 1979年6月15日、ブダペスト生まれ。子供の頃からスポーツが得意で、ほぼすべてのスポーツに挑戦していた。ブダペストで有名な、伝統あるカトナ・ヨージェフ劇場のメンバーで、舞台ではモリエールの『タルチュフ』、ドフトエフスキーの『白痴』、シェークスピアの『真夏の夜の夢』などに出演。映画での初の大役は、03年のペーテル・ゴタール監督による『Hungarian Beauty』(未)。05年には、サム・メンデス監督のハリウッド映画『ジャーヘッド』にPinko役で出演している。本作の後にも2本の主演作が続く、ハンガリー映画界期待の俳優である。
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『君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956』
配給:シネカノン
11月17日(土)、[新館]シネカノン有楽町2丁目ほか全国順次ロードショー!
オフィシャルサイト |
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| まず、ハンガリー動乱、メルボルンの流血戦という二つの歴史的背景をもった映画の主役を演じることが決まったときのお気持ちをお聞かせください。
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今回の話は、56年のハンガリー革命でようやく共産主義から民主主義に移行したからこそ初めて話すことができたことです。それまでは公に口にすることが許されていませんでした。なのでとても繊細なテーマだったのですが、役を頂いて、歴史的なことだけでなく、56年に起こった様々な背景を勉強し、皆さんに色んなことを知ってもらうつもりで頑張ろうと思いました。もう一つ、水球は初体験だったんですが、僕はスポーツがとても好きなので楽しんでやれましたね。
Q:台本を読んだときはどのようなお気持ちでしたか?
その段階では、この作品に出られるかどうかもまだ分からなかったですし、出られたとしてもカルチをやるかティビをやるかも分かりませんでした。自分としてはカルチをやりたかったので、希望通りカルチ役をやらせていただけて良かったです。 |
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正直言うと、本当の意味では満足できませんでした。というのも、僕は常に自分を批判的に見てしまうんです。未熟な部分を見つけては、次回からはもっと良くしていこうと反省的に見てしまうので、またチャンスがあれば、あの部分を変えたい、今なら違うやり方でする、という思いがどうしても起こってしまうんですよ。
Q:具体的にここがだめだったという部分は…?
それは言えません(笑)。 |
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| 今回、水球選手の役を演じるにあたって、過酷なトレーニングを積んで水球選手にふさわしい肉体を作られたとお伺いしたのですが、どのようなトレーニングをされたのですか? |
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| そんなにハードではなかったですよ。もちろんハードな部分はありましたけど、基本的にスポーツは大好きなので、チャレンジングな部分が大きかったですね。基本的にスポーツというのは全てハードだと思って間違いないですし、自分が好きなのであればそれは喜びになると思うんです。
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| 精神面において、カルチを演じる上で気をつけたところはどんなところですか? |
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人間性を見つけることが一番大事だと思いました。その役がどういう人間か−。カルチの場合はヴィキと出会い、彼女への愛と金メダルの夢との間で葛藤が起こる。金メダルは自分の夢でもあるし、仲間や家族の夢でもある。だけど自由を勝ち取るために立ち上がるヴィキの姿を見て…というところでどのように行動するかというところでしょうか。
Q:監督から何かアドバイスはあったのですか?
アドバイスというより、指示に近いものはありました。それはリハーサルにおいてもそうでしたね。この場面ではカルチはこういう気持ちで、その気持ちはどこでどうつながっているのかを、常に考えるように言われていました。 |
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役作りというか、先程もお話したように1956年に起こったことを自分なりに色々調べ、その上でカルチの人間性を見つけていきました。あと、撮影中はもちろんカルチになりきっていましたが、同時に僕自身もそこに存在していました。
Q:では映画の中で自分の素の部分が出てきたりもするんですか?
もちろんありますよ。役に自分自身も投影されていることが大切だと思うんです。 |
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| カルチは家族思いだけれども頭に血が上りやすく、興味があるのは水球と女の子という性格ですが、カルチとイヴァーンさんの間に共通点はありますか? |
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それは本当のことですね。僕にもそういう部分はあると思いますよ。
Q:同じなんですか?
同じと言えると思いますね。
Q:では、カルチの魅力はどんなところにあると思いますか?
それはむしろ、僕があなたに聞きたいです(笑)。
Q:私ですか!?…伊達男なところでしょうか(笑)。狙った獲物は逃さないというか…。ということは、そういう面がイヴァーンさんにもあるということですか?
はい(笑)。 |
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| そんなカルチが、ヴィキとの出会いによって革命の戦いに身を投じていくわけですが、もしイヴァーンさんがあの時代に生きていたらどのような選択をなされていたと思いますか? |
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| その質問は答えるのがとても難しいですね。カルチのように行動するのは簡単ですが、やはり状況によると思うんですよね。なので、例えばカルチのようにするかもしれないし、でも実際火事が起こった場合には皆を助けたい、ヒーローにもなりたいと思うでしょうけれど、実際本当に火事が起こってしまったらもしかしたら逃げ出すかもしれないし…という状況はあるかもしれないので、なんとも言えないです。
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| ヴィキ役を演じたカタ・ドボーさんとの共演はいかがでしたか? |
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彼女とは初めて会ったわけではないんです。僕が16歳くらいの頃、一緒のドラマスタジオで勉強していたんです。なので共に成長してきた俳優同士として、演りやすい部分はたくさんありました。
Q:撮影しているときはカルチになりきっているということでしたが、カメラが回っていないときはどのようなお話をされていたんですか?
撮影中はもちろんカルチに入りきっていますが、役を外れたらもうイヴァーンとしての自分です(笑)。家に帰って、例えば洗濯物を洗ったり、やらなければならないことをやって…、皆さんと同じような生活をしている普段の自分に戻りますよ。だからカタとも、カメラが回っていないときは他愛もない話をしていました(笑)。 |
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ちょうどこのインタビューの前に、ハンガリー大使館の方とお食事をしたというイヴァーンさん。久しぶりに母国語であるハンガリー語がしゃべれて嬉しそうでした。お話からは、衝撃的な史実を背景にした本作に対する想いがひしひしと伝わってきました。お寿司がお好きだというイヴァーンさんは、今回、富士山に登れなかったことが唯一の心残りだとおっしゃっていました。次に日本にいらっしゃるときは、ぜひ登ってほしいですね
(取材・文・写真:浦川瞳)
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