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インタビュー
『デス・プルーフ in グラインドハウス』クエンティン・タランティーノ
『デス・プルーフ in グラインドハウス』クエンティン・タランティーノ
主役級の一人にゾーイがいないアクション映画なんてあまりにも無謀で、オレは彼女がいないとなにもできないんだ
“ハリウッド゙の異端児”“オタクの星”と様々な異名を持つご存知クエンティン・タランティーノの新作『デス・プルーフ in グラインドハウス』が遂に日本で公開される!今回も随所にB級映画へのオマージュ、意味のない台詞の長回し、シビレルほどカッコイイ音楽などが満載で、まさにタランティーノ節全開といったところ。そんな彼のこだわりが十分伺えるインタビューを紹介!
profile
[クエンティン・タランティーノ]
1963年テネシー州ノックスヴィル生まれ。『レザボア・ドッグス』で監督デビュー。低予算ながら、宝石強盗グループの葛藤と裏切り、バイオレンスをスタイリッシュに描き、各国の映画祭で絶賛される。94年、共同脚本、監督、出演を務めた『パルプ・フィクション』を発表。様々な賞に輝き、一躍、ハリウッドを代表する人気監督へと上りつめる。97年にはエルモア・レナード原作、パム・グリアー主演で『ジャッキー・ブラウン』を脚本・監督。3年、日本のヤクザ映画や復讐映画、香港カンフー映画など、様々なジャンル映画へのオマージュを満載した『キル・ビル』を、翌年にその続編で、マカロニ・ウエスタン風味を強めた『キル・ビルVol.2』を送り出し、またしても世界中に大旋風を巻き起こす。
『デス・プルーフ in グラインドハウス』
配給:ブロードメディア・スタジオ
9月1日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ他全国ロードショー
オフィシャルサイト
本作『デス・プルーフ in グラインドハウス』(以下『デス・プルーフ』)、で二つの女の子のグループをメインにしようと思いついたのはいつ頃ですか?
はじめての衝動みたいなものだったよ。ここ3、4年、いろんな女友達と出会って一緒に遊んでるんだ。そんな傾向がここ5年くらい続いたかな。男友達ももちろんいるんだけど、あの女の子達のいわば軍隊のように群がるあの勢いはすごくて、その集団に群れる現実がここ数年くらい続いたんだ。

彼女達の話す事とか冗談とか仲間意識とかを身近に触れるようになったのさ。この映画で登場する女の子たちのほとんどは、一人の人物を焦点においているか、誰かが誰かと絡んでいるかのどちらかなんだ。でも、この女の子達全員をフォーカスしたいって思うようになったんだ。それが僕のライターとしての仕事さ。あるアイディアに浸かってしまったら、それに何かを調理しなければいけないんだよ。で、ある日これだっていうアイディアが浮かぶようになったのさ。それはね、スラッシャー映画じゃないんだけど、スラッシャー的な構造に“見せかけた”映画にしようって思ったのさ。そのことを気に留めて、“そうだ、女の子の集団を登場させてみんなを一緒に遊ばせる。それが完璧なフォーマットだ!”ってね。
今までに『デス・プルーフ』以外に、女性からの観点を描いた映画を作ろうとしたことはありますか?
それはないね。女集団が中心の映画をつくろうとしたことはあったけど、まだ何かが足りないんだ。でもある時、ロバート・ロドリゲスが『プラネット・テラー(in グラインドハウス)』をやると言って、考えさせられたんだ。

“待てよ、オレはいつもマニアックなジャンルをいったりきたりしているじゃないか”って。マカロニ・ウェスタン(低予算イタリア製西部劇)にはまって何度も繰り返し見続けたり、スラッシャー映画も撮ったばかりじゃないか、ってね。で、こういうジャンルをあらためて楽しむようになったんだ。だから、ロバートがこの話を持ちかけた時、“スラッシャー映画をやってやろうじゃんか、面白くなりそうだぞ!”って思ったよ。

オレがスラッシャー映画の大好きなところは、限界があるところなんだ。スラッシャー映画は、全部そっくりで実はそれがチャームポイントなんだよね。サブテキストにはもってこいの映画だから、批評もしやすいんだよ。同じパターンの繰り返しにすぎないからね。そして、そのパターンを崩しすぎると、ジャンルそのものをめちゃくちゃにしてしまう。“そうなってしまうときっと後悔することになるぞ”って感じかな。だから“自己流のやり方はなんだろう。どうやったらオレの求めるものができるんだろう”って考えたよ。
キャスティングでは、思い描いていた通りの配役でしたか?
カート・ラッセルが加わったときは月にいった気分だったよ。完璧なキャストさ。女優はというと、とくに誰にもオファーしなかったよ。本当に気になったキャラクターを何人か書いて、あとは大きなオーディションをしたのさ。ぴったりの役者さんを見つけるためにね。

Q:どうして、カートは完璧なキャストなのですか?

カートには何か惹かれるところがあって、それがスタントマン・マイクにそっくりなのさ。彼は、このビジネスに長い間精通している現役バリバリのプロさ。たくさんのTVエピソード、例えば『ハイ・チャパラルズ』とか『ハリー・オーズ』なんかのTVシリーズにでていたんだ。

それに、カートはマジでこのビジネスで共演した事のない人なんていないっていうくらい、誰とも顔見知りなのさ。ウィリアム・スミス、キャメロン・ミッチェル、名をあげたらきりがない。だから、自然にスタントマン・マイクの人生に共感できるのさ。同じジェネレーションだし、皆が知らないようなことも知っている。キャメロン・ミッチェルもとても味のあるスタントマン・マイクを演じただろうね。ウィリアム・スミスも全盛期のラルフ・ミーカーも同様にね。カートは、こういう役者を知っていて、幼いころに共演しているんだ。でも、面白いことにカートはスタントマン・マイクのようなやつをたくさん知っていているのさ。で、その中で、ある特定のスタントマン・マイクの人物を演じるんだよ。衣装とか癖とかとは関係ないんだ。スタントの連中もみんなスタントマン・マイクのようなタイプの人間に会った事があるんだ。スタントマンとしてのキャリアを保てるギリギリの量だけ仕事をするタイプだよ。スタントマン・マイクをより本物らしくするために、彼が携わったすべての職業を書き出してみたよ。映画の中で見せられる以上のもっと詳しいバックグラウンドを作り上げたのさ。

カートと一緒に仕事をするのは最高だったよ。だって、オレはずっと彼と一緒に仕事をしたいと思い続けてきたんだからね。ずっと彼は素晴らしい俳優だって思い続けてきたんだ。つまり、ちょっとイーストウッド風の話し方で『ニューヨーク1997』のスネークのような役に、また、ジョン・ウェイン風の話し方で『ゴースト・ハンターズ』のジョン・バートンのような役に取り組むということを言いたいんだよ。それを目の当たりにしたとき、これは素晴らしい俳優だって思ったんだ。

演技をしていると強く感じさせることはない…。彼は実際に、芝居の感覚というものがあるのを理解しているんだ。子役時代から演技をしてきてセンスを身につけているのさ。そんなふうにやっていながら、本人はそのことを自覚していない。彼のそういうところがずっと大好きだったんだ。
ゾーイ・ベルの体当たりアクションは、見どころの一つですね。
彼女は『キル・ビル』でユマ・サーマンのスタントダブルをやっていたけれど、今回は実際に主演と勿論スタントも務めているんだ。主役級の一人にゾーイがいないアクション映画なんてあまりにも無謀で、オレは彼女がいないとなにもできないんだ。僕はただバカみたいに何も考えずに撮影すればいいし、彼女は素晴らしい演技をしてくれる。誰もが彼女に惚れ込むよ。オレは、彼女が若い女の子たちのビッグ・ヒロインになるんじゃないかと思っている。次の10年間に映画を見るような子たちの間でね。彼女たちは大人になったらゾーイ・ベルみたいになりたいって思うんだ。
『デス・プルーフ』では、撮影監督としてもデビューしましたが、どうしてですか?
ロバート(ロドリゲス)が押したんだよ。「おまえにはできる、おまえにはできる」ってね。彼が無理にひっぱったから、やることになってしまったのさ。『プラネット・テラー』で、早く慣れるためにしばらくはセカンドカメラを操作して、ロバートがいろいろ教えてくれたよ。その後は、自分でやるようになったね。
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