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| 日本とアメリカでは、現場での俳優のポジションが全く違う。向こうの俳優には、表現は自分の仕事だというプライドがあるんです
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| 『リング』『らせん』で知られる鈴木光司の短編「夢の島クルーズ」を、ジャパニーズ・ホラーの先駆者、鶴田法男監督が映像化した『ドリーム・クルーズ』。この作品で、過去に秘密を抱える資産家の夫、英治を演じた石橋凌さんが、単独インタビューに答え、本作、そして映画に対する熱い思いを語ってくれた。
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[石橋凌]
1956年、福岡県出身。80年代の伝説的ロックバンド「A.R.B.」のボーカル。その後、松田優作監督・主演の「ア・ホーマンス」に出演し、キネマ旬報新人賞を受賞。これをきっかけに、本格的にスクリーン進出を果たし、現在に至る。主な出演作は、『Aサインデイズ』『オーディション』『THE JUON/呪怨』など。
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『ドリーム・クルーズ』
配給:角川映画
5月12日より新宿トーアほかにて全国ロードショー
オフィシャルサイト |
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| 最初、プロデューサーからオファーがあって脚本を読ませていただいたんですが、とても面白かったんです。「予言」など過去の作品を観ていて、鶴田監督は丁寧に撮られる方だと思っていましたので、是非出演させて下さいとお受けしました。 |
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| 実際、鶴田監督と一緒にお仕事をしてみていかがでしたか?
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リハーサルを何度も重ねたりと、想像どおり非常に丁寧に作っていく監督さんでしたね。
あと、ジャック役のダニエルが、毎回シーン毎に自分のアイディアを出してきたんです。それは向こうの俳優にとっては当たり前のことなんですけど、監督は外国人の役者と一緒に仕事をするのは初めてとのことでしたので、最初の内はさぞかし戸惑われたと思います。でもすぐに慣れて、ジャックの意見に耳を傾け、時間をかけてディスカッションなさっていました。
Q:言葉が違うと大変ですよね。
ええ。そして何より、日本とアメリカの映画作りにおけるシステムの違いも大きいでしょう。まず、現場での俳優のポジションが違う。向こうの俳優には、表現は自分の仕事だというプライドがあります。そして監督の方も、表現に関しては役者に任せている部分があります。監督が全部演出して、俳優はただ言われた通りにやるという日本のやり方とは180度違うんです。 |
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| 石橋さんが、海外の映画に出演されることが多いのは、あちらのシステムがご自分に合っていらっしゃるからですか? |
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そうですね。日本でのモノづくりがもっと健全に行われていたら、僕は20年前にアメリカに活路を求めなかったと思います。例えばキャスティング一つとっても、アメリカはオーディションが普通なのでとてもフェアで分かりやすい。そういう分かりやすさが、自分に合っているんでしょう。
もちろん、100%ハリウッド礼賛ではありません。最近のリメイクばかりなやり方もどうかと思うし、今スターと言われている俳優に関しても、昔の、それこそ僕の青春時代でもあった60〜70年代のアメリカンニューシネマの頃とは随分変わったと思います。たまに、今の俳優は本当に表現を生業としているのか、疑問に感じることもありますから。
そういう意味で、久しぶりにこの俳優は凄い!と思ったのがヴィゴ・モーテンセンとゲイリー・オールドマンでした。特にヴィゴは、『インディアン・ランナー』(91年/ショーン・ペン監督)を観たときの衝撃がものすごかった。
実は僕、その2年後に、彼と共演しているんです。『ヤクザVSマフィア』という日米合作の映画に主演したんですが、お話を受けて企画書を見たら、ヴィゴがキャスティングされているじゃないですか!とても興奮しましたよ。それで、アメリカで彼と顔合わせをした際、ファンだったと正直に伝えたんです。それ以来、ヴィゴとは家族ぐるみで親しい付き合いが続いていて、彼が来日する時はうちへ遊びに来たり、一緒に温泉に行ったりするほどです。 |
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| 木村さんとは今回初めてお仕事したんですが、とてもピュアなお芝居をなさる方でした。飾らない人柄で、一緒にやりやすかったですね。
木村さんは帰国子女なので、英語もとても自然で上手なんですよ。だから、なんで海外の作品のオーディションを今まで受けなかったのか聞いたんです。彼女としては、日本でもっと経験を積んでからと考えていたそうですが、僕としては、いまだに日本人の役を中国や韓国の俳優が演るのは不自然だと思うから、木村さんのように、演技力も語学力もある方が演った方がずっと良いだろうと言ったんですけどね(笑)。 |
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| ホラー映画ということで、石橋さんが怖いものってありますか? |
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| 怖いものですか(笑)。
あんこがダメですね。赤飯とか饅頭とか、絶対に食べられない。あとは蛇かな(笑)。
両方ともトラウマなんですよ。あんこは小学生の時に出された饅頭が古くて、あたっちゃった。蛇は、これも小学生の時に友達と釣りに行った河原が、まむしの巣窟で(笑)。両方ともそれ以来ダメです。「石橋殺すに刃物はいらん」です(笑)。
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今年は今まで撮影した作品がいくつか公開されるんです。まず、ジェット・リーと共演したアメリカ映画「WAR」。あと、天願大介監督の「世界でいちばん美しい夜」。これ、コメディなんですが、非常にとんでもない役なんですよ(笑)。ここまでの役は初めてでしたね(笑)。
それと、香港映画が二本あります。一つは『ドッグ・バイト・ドッグ』を撮ったソイ・チェン監督の『軍鶏(原題)』。もう一つは、70年代の人気映画シリーズ『女囚さそり』をリメイクした『さそり』です。主演は水野美紀さんなんですよ。
Q:『さそり』に出演しているサム・リー、とても良い俳優さんですよね。
僕も彼のことはすごく好きでね。ただのアイドル俳優とは一線を画す、個性的で稀有な存在だと思っていました。世界中でも、あの若さでああいうポジションで仕事をしている俳優はなかなかいないんじゃないかな。思わず本人に、「良い仕事しているね」と言っちゃいましたよ(笑)。時々、日本に遊びにきているらしいね。日本語も上手でしたよ。 |
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| 最後に、これからこの作品をご覧になる皆さんに一言お願いします。
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| ホラー映画ではありますが、鶴田監督がこだわった人間ドラマも丁寧に描かれていると思います。ホラーファンだけでなく、色んな方に観ていただきたいですね。
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この日はお昼から会見やインタビューが続き超過密スケジュールだったにも関わらず、ちっとも疲れを感じさせずに、作品のこと、お好きな映画のことなど、熱く語ってくださった石橋さん。「単純に良い映画を作りたい。それだけです」との言葉がとても印象に残っています。
(取材・文:スワスワ)
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