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| “オレはカッコいいんだ!”って、自分に言い聞かせながら演じたよ。 |
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| 『いかレスラー』『コアラ課長』『かにゴールキーパー』『日本以外全部沈没』と、おバカ映画街道をひた走る河崎実監督が、初めて“人間”を主役に迎え、世界初の“特殊ヅラ効果”で描く奇想天外ポリス・アクション『ヅラ刑事』。必殺のヅラ投げ“モト・ヅラッガー”を武器に、悪に立ち向かうヅラ刑事役で映画初主演のモト冬樹が、ヅラについて思うことをざっくばらんに語ってくれた。 |
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[モト冬樹]
1951年島東京都生まれ。ベンチャーズなどの音楽好きが高じ、中学時代よりギターを手にするように。その後、小学校からの同級生だったグッチ裕三、実兄でもあるエド山口とバンドを組み、いくつかのグループを経て、1977年、グッチ裕三、ウガンダ、イッタケ島田とともに「ビジー・フォー」を結成。同バンドは、渡辺プロダクションの故・渡辺晋に見出され、本格的にコミックバンドとして活躍。その後、バラエティ「ものまね王座決定戦」出演を機に“ものまね四天王”ブームを巻き起こし、一躍お茶の間の人気者に。以降、個性的なキャラクターを生かして数多くのバラエティ、CM、テレビドラマなどに多数出演。その他の映画出演作に、『プロゴルファー織部金次郎5 愛しのロストボール』(98)、『ショコキ!』(01)など。主題歌も担当する本作『ヅラ刑事』が初の映画主演作となる。 |
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『ヅラ刑事(ヅラデカ)』
9月16日(土)よりシネクイントにてレイトショー公開!
配給:トルネード・フィルム
オフィシャルサイト:http://www.duradeka.com/ |
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| ヘンな生き物ばかり主人公にしてきた河崎実監督の映画で、初の人間主役、しかも初主演ということで、どのような感慨がありましたか? |
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最初、脚本を読んだときは、あんまりベタで笑っちゃったし、“まあ、こりゃボツになるな”と思ったんだよね。でも、もしこの『ヅラ刑事』の企画が実現するんだったら、絶対やりたいなと思った。“オレしか出来ない”ってね。これまでの河崎監督の作品、『いかレスラー』『コアラ課長』『かにゴールキーパー』も結局、“かぶりもの”なんだよな(笑)。そういうとこじゃ、共通してるんじゃない?
Q.相変わらず、ベタな細かいギャグがすごくおかしかったですね。
でも、設定がメチャクチャだから、真面目に撮ってたよ。設定がバカバカしいほど真面目に撮らないと面白くないものなんだよね。オレ、今までやった役の中で一番カッコつけて撮ったもの(笑)。“オレはカッコいいんだ!”って、自分に言い聞かせないと面白くないんだよ。監督も、くっだらないことをすごく真剣にやってたね。撮ってるときはもちろん、アイデア一つ考えるにしても。ヅラの投げ方も二人で一生懸命考えて、みたいな。
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| ヅラを投げる“モド・ヅラッガー”の型も、試行錯誤を重ねた結果なんですね? |
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まあ、監督の意見がほとんどだったけどね。あの人は、場面毎にちゃんと自分の中で画がしっかり出来てるんだと思うんだよね。だから、撮りもすごく速かったし。“これでつながるのかよ”って心配になるくらいだったよ。
Q.じつはたまたま、『日本以外全部沈没』の撮影現場を拝見する機会があったんですけど、本当に撮影が速くて驚きましたね。
速いでしょ? どういう画が出来上がるか、監督だけはちゃんとわかってるんだよな。
Q.ヅラはずいぶん上手に飛ばせるようになったそうですね?
もう、イヤっていうほど投げたからさ。どうせCGにするってのに……。でも、最後にはCGみたいに飛んだよ。それ、なんにもエラくないんだけど(笑)。
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| プレスによると、「女性にキスをされているような肌触りでフィットするヅラ」って書いてありましたけど(笑)、実際のところ、かぶり心地はいかがでしたか? |
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……そんなこと、誰が書いたんだよ(笑)!? でも、まあ、楽なヅラではあったよね。裏がネットみたいなやつだから。じゃないと、投げられなかったし、どっちみち。頭からパッと取って投げることに意味があるじゃない? だから楽なヅラじゃなきゃ……って、“楽なヅラ”ってのもおかしいな(笑)。
Q.あのヅラはいただいたんですか?
いや、借り物なんだよ。買え!ってんだよね(笑)。レンタルのほうが金かかるじゃん。低予算なんだからさ。
Q.(実物を触らせていただき)うわぁ〜!
「うわぁ〜!」って、フツーのヅラだよ(笑)! どこにでもあるだろが!
Q.いえ、ヅラに触るなんて、生涯に何度あることか……。
ホントかよ(笑)! 周りを捜せばいくらでもいるぜ、かぶってるヤツ。「ちょっと失礼……」って触ってみりゃいいんだよ(笑)。
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| モトさんが歌っていらっしゃる主題歌の中に「人はヅラをかぶる時、頭に蓋をする。それは心にも蓋をすることなのさ〜」というフレーズがありますけど、心に沁みますね(笑)。
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沁みるだろ? あれは、河崎監督が書いた歌詞だよ。すごい才能あると思ったね。心打たれるよ(笑)。
Q.あれはモトさんの“ヅラ観”でもあるんですか?
“ヅラ観”って何だよ(笑)! いや、あれは監督が書いたから。あの人は題名から決めるタイプで、「悲しみはヅラで飛ばせ」って題名ありきで、出てきた節だと思うね。でも、最初出来てきたときに「全部ヅラ否定じゃないですか」って言ったら、「じゃあ、2番目は肯定的な歌詞にします」と言って出てきたのが、「たまにはしかし、それもいいだろう」って……(笑)。それって、ホントに肯定してるのかね? とにかく、才能はある人だな。ただ、歌詞はかなり字余りだったけど。字足らずもあったし。もう大変だったよ、歌うの。大体さ、歌詞っぽくないよね? 「風呂場で着脱し乾かす」とかさ(笑)。最初は「浴場で着脱し乾かす」だったんだけど、まるでオレが“欲情”してるみたいだから“風呂場”に替えてもらったの。
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| 今回はいろいろな作品のパロディー満載でしたが、演じるにあたって、モトさんがイメージした刑事はいますか? |
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いや〜、それはないな。ただ、自分の中ではカッコよくやろう、と。それだけだね。誰、イメージするんだよ? ヅラかぶってる人か(笑)? ●●●●とか(笑)? とにかく、カッコいい刑事をイメージしてやったよ。
Q.ちなみに、モトさんにとってカッコいい刑事を演じた俳優さんは誰ですか?
水谷豊さんとか、好きだね〜。全然タッチは違うけど大好き。あと、舘ひろしさんがカッコいいね。 |
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| 最後に「つづく」と出ていましたが、続きそうですか? |
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う〜ん、今回皆さんがたくさん来てくださったら続く! それにかかってるね。監督が言ってきたら、オレは続けるつもりだけど。
Q.堂々と書いちゃってましたね。
書いちゃってるんだよ、大丈夫かな、あれ? とにかくあの人、わけわかんない題名から考えてくるんだよな。『絶対ヤセるヅラ刑事』とか『世界の片隅で、B型女が号泣』とか(笑)。 |
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| そうなんだよな、チケット買うときにカミングアウトした人を無料……って、まず、いねーだろ(笑)? 1300円のために、何百万円もかけたヅラをその場でとるヤツなんて。でも、もしもそれくらいやってくれる人がいたらってことで。無料にしたいがために、普段かぶってないヅラをかぶってきたのはすぐ分かるから、それはダメだよ。 |
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| 最近は“思いっきりハゲ”がカッコいいという風潮がある気がするんですけど、それは感じていませんか? |
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どこにあるんだよ、そんな風潮(笑)!? 聞いたことねーぞ、そんなの(笑)。
Q.例えば、『スーパーマン リターンズ』でケヴィン・スペイシーが……。
それはさ、外国と日本はまったく違うから。外国はハゲがセクシーとか言うじゃない? ブルース・ウィリスとかショーン・コネリーとか。ただ、テリー伊藤さんが言うには、「日本人とドイツ人はカミングアウトが下手」だって。あと、東南アジアではハゲはおかしいっていう風潮があるじゃない? やっぱ、欧米とこっちは感覚が全然違うよ。国民性だな。
Q.モトさんが思いっきり剃って、“ハゲはカッコいい”ブームをつくるとか……。
全部剃ってしまうのがカッコいいかって言ったら、オレ、「ちびまる子ちゃん」では特殊メイクでハゲになってるけど、頭に黒い色がなくなるじゃない? そうすると、眉毛と目がすごく際立って鋭く見えちゃうんだよね。空港のイミグレーションで止められそうなくらい。過激派みたいな顔になっちゃうんだよ。だから、おじいちゃんの役をやるために、眉毛を白髪にして下げてるんだ。そうやって優しそうに見せてるんだよ。
確かに、ハゲにしてみると、意外とカッコいいなと思うんだけど、オレはやっぱり何が受けてるかっていうと、“潔くないハゲ”だからなんだよな。土俵際で必死に踏み留まってるっていうのがいいと思うんだよ。その根本がなくなったらオレじゃなくなるわけよ。そうでしょ? だからこういう仕事も来るわけで、オレがツルッパゲになっちゃったら面白くないよ。ヅラを投げたときに、少ない毛がそこはかとなく乱れてるのが面白いんであってさ(笑)。なんかオレ、しょーもないこと、必死で説明してるな(笑)。ハゲてる人はいっぱいいるけど、オレは“何とか頑張って少ない毛を保ってるのが、情けなくて面白い”ってキャラなんであって(笑)。
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| 最後に、ヅラをかぶろうかとお悩みの男性たちにメッセージを。 |
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ヅラは一回かぶると、取れなくなっちゃうんだよな。女の化粧もそうだろ? いったん濃くしちゃったら、もう薄くはできなくなるよな。オレ自身は、面倒くさいことが嫌いなんだよ。自分を上増しして人に見せるのも嫌いだし、そんなことしたら自分が一番疲れるんだよね。だから、オレはまんまが一番いいと思ってる。でも、人によっていろいろな思いはあるから。例えば、オレがアイドルでハゲてきちゃったら、そりゃ考えるよな〜。実際、そういうヤツもいるけど(笑)。カッコ良さで売ってきたヤツはとてもキツいと思うよ。だから、それはまた別問題だよな。いろんなタイプの人がいるわけだから、かぶるのが全否定ではないんだけど、結構な年齢になってきたら自然にまかせときゃいいんじゃない? 大体オレ、ひと目でヅラって判るもの。顔の雰囲気で、どうしても違和感になっちゃうんだよね。1ヵ所整形した人みたいに。10ヵ所整形すると判んないけど、1ヵ所整形した人ってすぐ判ると思わない? それなんだよね、違和感になっちゃうから、別に自然のままでいいんじゃない?って思うんだよね。アイドルだったら可哀相だけど。だからオレは、「ヅラなんてかぶる必要はないよ」って言いたいね。
Q.かぶっている人はそんなに判るものですか。
オレは一発で判るよ。人間ってバランスがあるから。でも、男にとって髪の毛の黒さと量って、すごくロマンなわけよ。ただ、他の人に鬘をプロデュースしてもらうんだったらいいかもしれないけど、自分でかぶっちゃうじゃない? すると、ついつい量を多くしたり、色を濃くしすぎたりして、ミョーなバランスになっちゃうんだよな。
Q.でも例えば、日によって違うサングラスを選ぶように、いろいろなタイプのヅラで遊んでみたいと思いませんか?
それは確かに面白いかもしれないね。オレは芸能界の中で、ヅラかぶってTVに出ても、司会者に「おっ、今日は鬘ですね」と突っ込んでいいと了解されているタレントだからな(笑)。意外といないんだよね、そういう人。“こいつ、マジでかぶってるのかな、ふざけてかぶってるのかな”って判んないわけよ。だから、もしある日、誰かがヅラをかぶってきたときに、もしも真剣にかぶってたとしたら、言えないでしょ(笑)? それはすごく微妙なところなんだよな。でも、ヅラで遊ぶってのは、オレだったら出来るね! 面倒くさいからやりたくないけど。オレ、面倒くさいの嫌いだもん(笑)。
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寂しい頭髪について語ったら芸能界で右に出る者のいない、薄毛の第一人者、モト冬樹さん。そんなモトさんがその個性を思う存分“光らせる”初主演映画『ヅラ刑事』に関するインタビューのため、どうしても話がヅラから離れられない。こんなに堂々とヅラの話ができるのも、モトさんだからこそ。ご自身が言われるように“何とか頑張って少ない毛を保っているのが、情けなくて面白い”キャラで知られているが、お会いしてみると、逞しくどっしりとしていて、その貫禄に圧倒された。やっぱり、芸能界は奥が深いわ。 (取材・文:松浦真居、写真:昼神幸吉) |
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