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インタビュー
『フライ・ダディ』イ・ジュンギ、インタビュー
何ごとにもぶつかってみないと始まらない。俳優としても、一人の人間として生きていく上でも、非常に大事なマインドだと思います
金城一紀の小説『フライ、ダディ、フライ』を原作に映画化された本作。 国内観客動員数1300人を突破した『王の男』で一躍スターダムにのし上った、新鋭若手俳優イ・ジュンギ。彼は本作で、前作の妖艶な演技とはまるで違う、校内一ケンカが強い、“カリスマ高校生”を男らしく熱演してくれた。そんな彼に話を伺った。
profile
[イ・ジュンギ]
1982年、プサン生まれ。ソウル芸術大学在学中の01年にモデルとして活動を始め、04年に日韓合作ドラマ『星の声』で俳優デビューを果たす。その後、SMAPの草g剛主演の『ホテルビーナス』で、約2000人の候補者から選ばれ、“殺し屋”のボウイ役で映画初出演を果たす。05年には、韓国での正式デビュー作『僕らのバレエ教室』を経て、同年『王の男』で、王を虜にする芸人一座の女役コンギル役でセンセーションを巻き起こし、数々の賞を受賞する。最新作は宮崎あおいと共演した日韓合作映画『初雪の恋 ヴァージン・スノー』。
『フライ・ダディ』
配給:エスピーオー
2007年4月21日、シネマート新宿、シネマート六本木、シネパトス銀座ほかにて全国ロードショー配給:エスピーオー』
オフィシャルサイト:http://www.cinemart.co.jp/flydaddy/
本作には、『王の男』が大ヒットする前にキャスティングされたそうですが、出演を決めた理由は何ですか?
まずこの作品のシナリオを読んだ時に、とても新鮮さを感じ、また楽しめる作品だな、と思いました。愉快であると同時に感動もあるという、非常に良いシナリオだったので、気に留めていたんです。そしたら、その後お父さん役に、イ・ムンシクさんが出演されるということを聞いて、以前から一度は共演してみたい俳優さんだったので、即承諾しました。楽しんで撮影をしたいと思って決めた作品と言えますね。
イ・ムンシクさんとの共演はいかがでしたか?
とてもいい先輩と一緒に共演出来て嬉しく思いました。演技の技術よりも、俳優としての基本を学べたと思っています。俳優として自分が持つべき姿勢だとか、演技に対する価値観とか、そういったものを教えて下さいました。
今回役作りで苦労された点はありますか?
特に苦労した点や難しかった点はなかったのですが、ただ『王の男』が終わってからあまり間を置かずに撮影に入ったので、キャラクターになりきるのが大変でした。なので、撮影の前半は、気持ちの切り替えに苦労したんですけど、監督や周りの先輩たちが引っ張ってくれたので、早く自分のポジションが見つかりました。
『フライ・ダディ』イ・ジュンギ、インタビュー
お気に入りの台詞やシーンを教えて下さい
両方好きな点であげるとすると、『恐怖の先に何があるか、知りたいか』という台詞と、その前後のシーンがとても気に入っています。というのは、やはり人は恐怖を経験しないと、分からないことってたくさんあると思うんですね。恐怖が先にたつから、ぶつかる前に怯えてしまって、いろんなことを評価しがちだと思うんですけど、何ごとにもぶつかってみないと始まらないですから。そのことは俳優としても、一人の人間として生きていく上でも、非常に大事なマインドだと思います。
実は高所恐怖症だそうですが、劇中ではロック・クライミングをされてましたね。その恐怖を乗り越えた感想はいかがですか?
ロック・クライミングのシーンは、とても恐怖を感じましたね。あのシーンの撮影が終わって監督に、「台詞通りでした。恐怖の先に何があるか見てきました」と言いました(笑)。 登る時に、あと一歩踏み出せば地面に降りれると思うんですが、その一歩がなかなか踏み出せないんですよ。ちゃんと安全装置も付けてますので危険はないのですが、もう怖くて足が離せなくなってしまったんですね。 で、やはり人というのは恐怖を感じると、なかなか一歩が踏み出せない状況になるんだなーってことが分かりました。それは人生にも置き換えられることが出来て、これからの人生、そういう恐怖にぶち当たることが来ると思うんです。でもそれを乗り越えられると、自分なりの目標も見えてくると思いますね。
劇中でイ・ムンシクさん扮するガピルが、“チャンガ”と呼ばれていますが、このニックネームの意味は?
“チャンガ”というのは、韓国のロボット漫画のキャラクターの名前から来ているんです。ちょうど僕の父親世代に結構流行っていた、地球に危険が及んだ時に守ってくれる、英雄的なキャラクターなのです。ですから、この映画の中では、お父さん(ガピル)が“チャンガ”のようになりたい、と、そのロボット漫画のイメージと重ね合わせてつけたようです。ガピルからすると、“チャンガ”は自分の憧れの存在でもあり、彼の目標だったと思いますね。
本作は、“父と子”の絆を描いた映画だと思いますが、この映画に出演されて、世の中のお父さん、もしくは自分のお父さんに対するイメージが変わられたりしましたか?
今回の映画は、父親だけでなく、両親について考えるきっかけになったと思います。やはりどんな時も、家族のことを一番に考えるというのは、親なんだな、と感じました。
編集部の呟き
05年の韓国映画界に一大センセーションを巻き起こした『王の男』。この映画で、“暴君王”ヨンサングンだけでなく、観客もそのあまりの美しさに虜になった、女形の芸人コンギルを演じたイ・ジュンギ。本作で韓国若手ナンバー1の称号を手に入れた彼だが、当の本人は25歳という年齢にも関わらず、かなり落ち着いた男性だった。時折見せる微笑みも、酸いも甘いも知り尽くした大人の男性といった感じで、「フフ」と微笑む。一体、このフェロモンはどこから来るのだろう。それでも本作で高校生役をやっちゃうんだもんな〜。脱帽です。
(取材・文・写真:篠原藍)
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