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インタビュー
『インランド・エンパイア』デイヴィッド・リンチインタビュー
『インランド・エンパイア』デイヴィッド・リンチインタビュー
(C)ANDREAS BASTIANSEN
シネマと音楽は似ていて、美しく知的な旅のできるものです
『マルホランド・ドライブ』から5年!デイヴィッド・リンチ監督の最新作にして集大成『インランド・エンパイア』。本作は、カリフォルニア州に実在する“インランド・エンパイア”という街を舞台に繰り広げられる驚愕の映像体験である。『イレイザーヘッド』の衝撃デビューから30年たった今、世界中で注目を浴びている鬼才に話を伺った。
profile
[デイヴィッド・リンチ監督]
1946年1月20日生まれ。モンタナ州ミズーリ出身。72年から5年がかりでモノクローム作品『イレイザーヘッド』(77)を完成させる。この作品がカルト的人気を集めて高く評価され、メル・ブルックスが『エレファントマン』(80)の監督に起用。90年に監督した『ワイルド・アット・ハート』でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞。TVシリーズでは、日本でも一大ブームを引き起こした「ツイン・ピークス」(89〜91)で驚異的な人気を誇る。そして、ナオミ・ワッツ主演の『マルホランド・ドライブ』では、アカデミー賞の最優秀監督賞にノミネートされ、世界的な大ヒットとなった。
『インランド・エンパイア』
配給:角川映画
7月21日より恵比寿ガーデンシネマにてロードショー
オフィシャルサイト
この映画は、パズルのような小さな断片を組み合わせて観客が答えを見つけるタイプのものなのでしょうか?
いや、むしろ印象です。断片をどう組み合わせるかによって知的な満足感を得るものと、それを印象として捉える作品があります。この映画は、印象の方です。
まだこの映画を見ていない人は、どのような心の準備をしたらいいと思いますか?
どんな映画も観客を未知の領域に誘ってくれるものです。だから観る者は、直観力を駆使することを恐れてはいけない。とにかく感じ続けること。内にある知識を信じることです。シネマはかくも美しい言語です。あなた方には言葉の才能があるでしょう。しかしシネマは言葉を超えたものです。シネマと音楽は似ていて、美しく知的な旅のできるものです。言葉なしに語りかける。素晴らしい・・・。だから、映画を観ることで違う世界を開き、ぜひ体験してほしいと思います。
この映画の製作には2年半かかっていますね。途中ではポーランドでの撮影もあったので、ローラ・ダーンをはじめとする俳優達は大変だったのではないでしょうか?
撮影が途中中断したこともあったし、数ヶ月撮り続けることもあったので大変だったかもしれませんね。それに俳優達は、自分達がどういう役を演じているのか、出来上がるまで分からなかったかもしれません。しかし、僕は常に俳優達の役のことが頭にありましたし、脚本として描いたアイデアも多くありました。撮影の後半、終り近くなった頃には、お互いに分かり合えるようになっていたから、そのまま続けて撮り続けていきました。
ローラ・ダーンを何度も起用していますが、彼女はあなたにとってどのような女優ですか?
ローラ・ダーンほどひとつの映画作品の中でこれほど美しく変化してくれて多くの素晴らしい瞬間を生み出してくれる人はいないと僕は思っています。彼女は圧倒的に素晴らしい。彼女との仕事は最高でした。僕が2回以上起用した役者は、自分の分身か、ミューズのいずれかです。今回の映画も近所に越して来たローラと道で会い、何か一緒にやりたいねと話したことがきっかけで始まったのです。
また日本人女優の裕木奈江の起用はどのように決まったのですか?
ダンサーが踊るクラブでたまたま僕たちが撮影中だったところへ奈江が出演中の役者に会いに来ました。彼女が日本人の女優で、とても演技力があると聞いていたので、あのシーンを着想したとき、彼女を思い出し連絡先を探したのです。奈江はビューティフルな演技をしてくれました。台詞を完璧にこなしたし、あのシーンでの話し方、演技を僕はとても気に入っています。
『インランド・エンパイア』デイヴィッド・リンチインタビュー
(C)ANDREAS BASTIANSEN
この映画に出てくる3匹のウサギはどのような意味をもっているのでしょうか?
それは説明はできません。

Q:ウサギの頭をつけていた人たちの声を演じていたのは誰ですか?

ナオミ・ワッツ、ローラ・ダーン、スコット・コフィーです。
あなたの作品を観客が理解できなかったり、誤解を受けることは恐れませんか?
映画監督にとっては、自分の作品がきちんと意味をなすことが大切です。自分にとって完璧に意味をなし、受け容れることが一番大切なんです。その一方で観た人にさまざまな解釈が生まれることは覚悟しなければなりません。人生と同じですよ。一つの物事に対して人それぞれ様々な考え方があるということです。
今回もエンドクレジットにあなたの歌う曲がクレジットされていましたが、あなたにとって音楽はどのような存在ですか?
「Ghost of Love」と「Walking In the Sky」を歌っていますが、僕は歌手ではないので、電子的にかなり処理しています。音楽は大好きで、自分のスタジオを作り、実験的な用途に使っています。そうやって映画をミックスダウンすることは非常に重要です。映画のサウンドとは、映像と音楽が一体となって動き続けるというもので、両者は結婚しているといえるほど重要な関係なのです。この映画の中でも様々なサウンドが使われていますが、それぞれの瞬間にとってそれぞれのサウンドがとても重要です。サウンドがどのように導入され、作用し、去っていくか。これは全部アイデアに基づいています。今後は吹き替えというスタイルはなくなっていくでしょうね。吹き替えは映画の魅力を損なうものです。字幕とサウンドトラックが連動していけば、非常に美しい作品になるはずなんです。
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