|
|
 |
 |
 |
 |
|
 |
|
 |
| 薫を演じる上で、顔の表情に頼らないということが、自分に課した制約だったんです。
|
 |
| 世界的に高い評価を受ける青山真治監督の最新作『こおろぎ』。第19回東京国際映画祭の「ある視点部門」に出品されたこの作品で、ヒロイン“薫”を演じている鈴木京香が、単独インタビューに答え、この作品に対する思いなどを語ってくれた。 |
|
|
|
 |
 |
 |
 |
[鈴木京香]
1968年5月31日生まれ。宮城県仙台市出身。高校生の頃スカウトされ、モデルとして活動をはじめ、90年、TBS系『ホットドッグ』でドラマデビュー。91年4月から放送されたNHK朝の連続テレビ小説『君の名は』では、ヒロインの真知子役を勤める。以降、その清楚な美しさと、シリアス、コメディ共にこなす演技力で、テレビのみならず、映画、舞台でも欠かせない存在に。代表作は他に、『ラヂオの時間』『39 刑法第三十九条』「竜馬の妻とその夫と愛人』『血と骨』など。
|
 |
『こおろぎ』
監督:青山真治
出演:鈴木京香、山崎努、安藤政信ほか |
|
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
| まず、今回、東京国際映画祭に出席し、レッドカーペットを歩いた感想をお聞かせください。 |
 |
 |
 |
 |
|
 |
| 実は去年も東京国際映画祭には、『真昼ノ青空』という作品で招待して頂いたんですが、スケジュールの関係でレッドカーペットは歩けなかったんです。なので、今年初めて歩いたんですが、とても嬉しかったですね。六本木の普段よく知っている場所が、とても新鮮に感じられました。
|
 |
|
|
 |
| プロデューサーから、「こういうことをやりたい」というアイディアは伺っていたので、脚本があがるのを心待ちにしていました。
青山真治監督とは、以前一度、TV版の『濱マイク』シリーズで一緒にお仕事をさせて頂いたことがあって、とても信頼していましたし、やりたいなという気持ちは最初からあったんです。
|
 |
|
|
 |
| 伺っていたのと同じイメージだな、と思いました。そして、脚本ができるまでは、漠然とした難しいお話だと思っていたんですが、脚本を読んで、やっと自分の中ではっきりした、という感じでした。事前に伺っていた監督のイメージと、自分の中のイメージが重なっていくのを確信しながら、読み進めていきました。 |
 |
|
 |
 |
 |
| 青山真治監督の演出方法は、どのようなものなのですか?
|
 |
 |
 |
 |
|
 |
制約のようなものはほとんどなく、自由にやらせてくださいますね。放任というわけでは決してないんですけれど。
今回は、薫に対して抱いていた私のイメージと、監督のイメージが、あまりブレていなかったと思うんです。だからますます自由にやらせてもらえた気がします。 |
 |
|
 |
|
 |
|
 |
 |
 |
| 山崎努さんとは今回が初共演だそうですが、いかがでしたか? |
 |
 |
 |
 |
|
 |
とてもストイックで勉強熱心な方です。山崎さん演じる男は、目も見えないし、台詞も一切ない役でしたから、その分、綿密に表現プランを立てて演技に臨んでいらっしゃったいました。
あんなにも実力と経験をお持ちでいらっしゃるのに、ご自分の今のレベルに満足することなく、今まで誰も見たことのないような新しい人物像をつくり上げようと、全身全霊をかけて向かう姿勢が、私たち役者だけでなく、現場のスタッフ皆にもとても伝わってきました。 |
 |
 |
 |
 |
| この映画の中で鈴木さんは、全編を通じてほとんど表情を変えず、それでいて、薫が男に対して抱いている複雑な感情を見事に表現していらっしゃったと思いましたが、役作りの上で難しかった点や、気をつけた点などありましたか? |
 |
 |
 |
 |
|
 |
顔の表情に頼らないということは、今回自分に課した制約だったんです。山崎努さん演じる男には言葉がないのに対し、薫には感情がない…という解釈で臨んでいたので。
でも、実際に顔の表情に頼らないということはとても難しかったですね。自分では、顔で表現する代わりに全身で表現しているつもりでも、やっぱりどうしても積極的な演技ではなくなりますから、自分の演技がちゃんとフィルムに焼きついているか、観ている方にきちんと伝わるか、不安でした。
なので、監督に、「抑えすぎでしょうか…」と伺ったことがあったんですけど、監督は特に何もおっしゃらなかったので(笑)、そのままで良いのだろうと信じて続けていきました。
|
 |
|
 |
 |
 |
| 薫と男の関係について、鈴木さんご自身はどう思いましたか? |
 |
 |
 |
 |
|
 |
二人の関係については、ご覧になった皆さんによって、見事に色んな意見に分かれるんです。そして、その人その人の感じ方は、どれも間違いではないと思います。
私自身がどう感じたかというと…ちょっと質問の内容からはズレてしまうかもしれませんが、薫は、自分の優しさみたいなものを、男を通して実感できると思っていた…でも実は男から与えられる側だった、ということに徐々に気づいていってしまったんだと思います。そしてそれは、薫にとってとても受け入れ難い事実だったんでしょう、きっと。少なくとも私はそういう解釈に基づいて、薫という女性を演じました。
|
 |
|
|
 |
 |
 |
質問時間が短かったのにも関わらず、こちらの質問に、一問一問じっくり考え、丁寧に答えてくださった鈴木さん。初めて間近でお会いしましたが、想像を遥かに超える美しさ!そして、女優オーラが全身からにじみ出ていて、普段は緊張知らずの私も、めずらしく緊張してしまいました。観る人ごとに、解釈や感じ方が異なるこの作品。皆さんは、果たしてどのように感じるのでしょう…。 (取材・文:スワスワ、写真:昼神幸吉)
|
|
 |
 |
|