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インタビュー
『幸福な食卓』 北乃きいインタビュー
『幸福な食卓』 北乃きいインタビュー
撮影がオールアップした瞬間、生まれて初めて“嬉し涙”が出たんです。
今、女性を中心に幅広い読者層から圧倒的な支持を受ける注目の作家、瀬尾まいこの代表作「幸福な食卓」が待望の映画化! 中学生の主人公・佐和子の目を通して“家族の崩壊と再生”を描いた本作で、映画初出演ながら主役を務めた若手女優、北乃きいが、映画について語ってくれた。
profile
[北乃きい]
1991年神奈川県生まれ。05年、講談社「ミスマガジン2005」グランプリを受賞し一躍脚光を浴びる。同年、「恋する日曜日『夏の記憶』」(BS-i)で女優デビュー。以降、朝の連続ドラマ小説「純情きらり」(06/NHK)、音楽番組「開運音楽堂」(TBS)、TVCMなどで活躍。瑞々しい演技力が見出され、本作で映画初出演初主演を果たす。さらに、TVドラマ「14才の母」(06/NTV)や、映画『スピードマスター』(07年公開予定)への出演で、注目の若手女優として期待がかかる。
『幸福な食卓』
配給:松竹
2007年新春1月27日(土) 全国ロードショー!
オフィシャルサイト:http://ko-fuku.jp/pc
まず、出演が決まったときの気持ちを教えてください。
率直に、すごく嬉しかったです。でも撮影が進むにつれて、主演がどれだけ大変で、どれだけスゴいことなのかがわかって、とてもプレッシャーを感じました。緊張で始まって、緊張で終わったという感じですね。
演じられた佐和子というキャラクターは掴みやすかったですか?
キャラクターに入っていくというのが、どうすればいいのかわからなかったので、まずは自分ができることを一つずつやっていきました。自分ができることというのは、例えば、台本を何回も読むことでした。“役作り”というのがよくわからなかったので、その日にできることを一つずつやっていきました。 佐和子がお父さんに反抗する場面は、「今、佐和子になってる!」と初めて思えた瞬間でした。

Q.佐和子とご自身の共通点はありますか?

似ているところは、前向きなところや積極的なところですね。似ていないところは、佐和子は悩みを一人で抱え込んでしまうんですけど、私は周囲に言うタイプなので、そういうところは違います。 北乃きい自身は、どちらかというと大浦君タイプだと思うんです。実生活では、どちらかというと、佐和子とは真逆ですね。
共演された勝地涼さんの印象をお聞かせください。
勝地さんは事務所が同じなので、ご挨拶をさせていただいたことは何度かありましたが、ゆっくりお話をしたのは今回の撮影が初めてでした。 勝地さんはすごく現場のムードメーカー的存在なんですよ。私はすごく緊張していたんですが、撮影の合間に面白いことを言ってくれたりして、緊張をほぐしてくれました。おかげで楽しく撮影できましたね。
一番楽しんで撮影したシーンと、難しかったシーンを教えてください。
一番楽しかったのは、私が一番好きなシーンでもあるんですが、佐和子が大浦君と一緒に合格発表を見にいくシーンです。ここは、普段はあまり喜怒哀楽を顔に出さない佐和子が、心から笑顔になっているというシーンなんですね。 大変だったのは、お父さんの自殺未遂を見つけるシーン。気持ちの入れ方が難しくて、あのシーンは半日かかったんです。ずっと(石田)ゆり子さんに一緒にいていただいて、撮影しました。

Q.撮影期間はどのくらいだったのですか?

1ヵ月です。

Q.監督とは現場でどのようなお話をされましたか? 監督から演技について要望されたことはありましたか?

私が何もかも初めてだったので、監督にはわかりやすく教えていただきました。演技については、普通の子を演じて欲しいと言われたんです。どこにでもいるような、成績も別に良くもなければ悪くもない、恋も一回もしたことがないような子でお願いしますということでした。

Q.でも、普通の子を演じるというのは、逆に難しかったのでは?

難しかったです。

Q.難しいところをどうやって克服したんですか?

克服はできてないですけど……。佐和子の色は“ベージュ”だと思うんです。佐和子はとても純粋なので、役の色は白に近いと思ったんです。でも、悩みを抱えていて、それが私には茶色に見えたんですね。なので、ベージュ色だと思ったんですけど。北乃きいは、オレンジだったり黄色だと思うので、演じるときはなるべく原色が入らないように、白に近くなるように演じるのが難しかったです。
原作をお読みになっていかがでしたか?
私は本を読むのが苦手で、分厚い小説を読むのはこの「幸福な食卓」が初めてだったんです。1回目は1ヵ月くらいかかって読んだんですけど、読んだだけで頭に何も入ってなくて……。とりあえず、線を引こうと思って、佐和子のところにピンクで線を引いていって、それで2回目にようやくわかりました。 それから台本を読んだんですけど、最初は「不思議な家族だなー」って思いました。でも、演じていくうちに、不思議なんじゃなくて、こういう家族は実はどこにでもいるんだなって気付いたんです。みんなが優しくて、家族を思いやっているからこそ、崩れちゃうんだって。淡々としているようで、奥が深い話だなって思いました。
この映画のタイトルは『幸福な食卓』ですが、北乃さんにとって“幸福な○○”といえば?
それは初めて聞かれました!うーん……(と、ひとしきり悩んでから)、あっ、どこかの映画のタイトルにありそうですが、“幸福な時間”!

Q.では、今一番“幸福な時間”は?

仕事をしているときです。

Q.演技は楽しいですか?

はい!

Q.どんなところが楽しいですか?

できないことができるようになったときの達成感は、勉強で得られるものよりも何倍も大きいですね。

Q.今後も女優業を続けていきたいですか?

はい。もっともっと色んな役をやってみたいです。

Q.例えば、どんな映画に出てみたいですか?

一番やりたいのはアクションですね。身体を動かすことが好きですし、『Mr.&Mrs.スミス』みたいに武器で闘ったりとか、ジャッキー・チェンさんみたいに素手で闘ったりとか。ああいったCGのないアクションが好きです。

Q.そのためにトレーニングをされたりしてるのですか?

腹筋30回、背筋30回、腕立て20回! 毎日できるだけやるようにしています。ベッドの上でやるとキツいんですよ。そこをあえてやってます(笑)。
映画には印象的な台詞がいくつかありますが、北乃さんのお気に入りの台詞は?
「おぅ」ですね(笑)。一番たくさん言った台詞でもあるので、気に入ってます。 自分の台詞以外だと、小林ヨシコさんの「友達は簡単に作れるけど、家族は作れない」です。それはその通りだと思いましたし、現場で言われているうちに思わず泣きそうになってしまいました。決してそういうシーンではないのですが、心の中で泣いてましたね。
『幸福な食卓』 北乃きいインタビュー
この映画をご自身と同年代の人にどのように紹介しますか?
そうですね。映画を観て私自身が思ったことですけど、あらためて「やっぱり家族っていいな」と思いましたし、家族で食卓を囲む大切さや、忘れかけていた大切なものを思い出させてくれるような映画だと思います。

Q.実際にお友達にこの映画のことをお話されましたか?

試写には行ってもらいましたが、感想は聞いていないです。恥ずかしくて、友達からは感想を聞けないですね(笑)。

Q.ご自身で完成した作品をご覧になっていかがでしたか?

1回目に観たときは、スクリーンに大きく自分が写っていて恥ずかしくて客観的に見れなかったんですけど、2回目は一人のお客さんとして観ることができて、達成感というか、「本当に自分は映画を一本やれたんだ」という嬉し涙が出てきました。
実際に女優というお仕事をされてみて、デビューされるまで思い描いていた女優という仕事のイメージにギャップはありましたか?
この映画では、1ヵ月間、皆さんと一緒にお仕事をして、本当の家族みたいになれたんですね。撮影がオールアップした瞬間、生まれて初めて嬉し涙が出たんです。それで実感したのは、色んな人に出会って一つのものを作り上げていく素晴らしさは、女優をやっていないと味わえないものだということです。それと、やはり時間に追われる仕事だということがわかりました。食事も早く食べる癖がついちゃって、学校でも一番早いんですよ(笑)。睡眠も思っていたより取れなかったり……そういうギャップはありましたね。

Q.目標とする女優像はありますか?

優しい女優さんになりたいです。庶民的というか、親近感のある女優さんを目指しています。隣の家に住んでて、見たらゴミ出ししてる、みたいな(笑)。普通の生活をしながら仕事をしている女優さんになりたいですね。

Q.憧れの女優さんはいますか?

アンジェリーナ・ジョリーさんです。『Mr.&Mrs. スミス』と『17歳のカルテ』を観て本当に好きになりました。

Q.では、好きな俳優さんは?

堤真一さんです。あと、「14才の母」のときに北村一樹さんとお話したことがあるのですが、とても面白い方で、またご一緒させていただけたら嬉しいです。
最後に、この映画を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。
この映画は、本当に幅広い年代の方に観ていただきたいのですが、特に中学生・高校生の同年代の方に観て欲しいです。あらためて、家族っていいなと思えますし、観終わったあとに心が温まる映画だと思います。ぜひ劇場で観ていただきたいですね。

Q.2007年はどんな年にしたいですか?

06年と同じように、きっと勉強の年になると思いますが、歌手デビューもありますし、幅広く色々やってみて自分に合うものを探していきたいですね。
編集部の呟き
朝からプロモーションで大忙しだったにも関わらず、疲れを全く見せず、爽やかに答えてくれた北乃さん。映画でも透明感のある可愛らしさがとても印象的でしたが、実際にお会いすると、映画の役柄よりも元気でキラキラしている女の子でした。 実はこのインタビューが行なわれたのは、去年のクリスマスイブだったのですが、取材終了後には、インタビュアー一人ずつに、北乃さんから手渡しで、手書きのメッセージ入りのプレスと可愛らしいチョコレートのプレゼントが! 優しい心遣いに大感激でした。 アーティストデビューも決まっていて、これからますます活躍の場が広がりそうな彼女。これから大注目の女優さんです!
(取材・文:山内真理子 写真:昼神幸吉)
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