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最初に脚本を読んだ時に、この作品の持つ世界観が好きになりました。(田中麗奈)
自分にとって大きなチャレンジが含まれた作品だと思いました。(チェン・ボーリン)
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乙一によるベストセラー小説『暗いところで待ちあわせ』が映画化された。独りぼっちで暮らしている盲目の少女と、彼女の家に忍び込みじっと隠れている殺人の容疑をかけられた中国育ちの孤独な青年の間に芽生える愛の物語。主役を演じているのは、日本映画界を代表する若き演技派である田中麗奈と、アジア各国で人気を得ている台湾のチェン・ボーリンだ。
今夏日本でも公開された『幻遊伝』に続いての共演となったふたりが、息もピッタリのインタビューに応えてくれた。 |
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[田中麗奈]
1980年5月22日福岡県生まれ。98年『がんばっていきまっしょい』の主役で映画デビュー。『はつ恋』(00)、『東京マリーゴールド』(01)、『ドラッグストア・ガール』(04)、『きょうのできごと a day on the planet』など多くの話題作に出演し、若手映画女優ナンバーワンとして日本映画界で活躍。05年に中国の連続ドラマ『美顔』に出演、日本でも公開された台湾映画『幻遊伝』(06)では本作に先駆けチェン・ボーリンと共演するなど、アジアにも進出する。
[チェン・ボーリン]
台湾出身。カンヌ映画祭正式出品作品『藍色夏恋』(02)で鮮烈に映画デビュー。その後、『最後の恋、初めての恋』(03)、『五月の恋』(04)、『ツインズ・エフェクト� 花都大戦』(04)、『アバウト・ラブ/関於愛』(04)、『シュガー&スパイス〜風味絶桂〜』(06)など10本以上の映画に出演し、アジア各国で大きな人気を得る。
公式サイト:http://chenbolin.jp/ |
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『暗いところで待ち合わせ』
11月25日(土)、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋ほかにて公開
配給:ファントム・フィルム
オフィシャルサイト:http://www.kuraitokorode.com/
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| この作品への出演依頼があった時、どのように感じましたか?
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田中麗奈:最初に脚本を読んだ時に、この作品の持つ世界観が好きになりました。ただし、原作の小説では私が演じたミチルの心情が書いてありそこが魅力でもあるのですが、映像化される時にはそういった文章をナレーションで読むこと台詞で喋ることもないので、ミチル役にはより細やかな表現が求められます。1軒の家の中での気持ちの変化を演じること、アキヒロに見られていることに気付いていないふりをして普通の生活を続けていくことや、アキヒロが自分に危険を及ぼす人なのか判断するまでの過程など、すごく難しいだろうなと思いました。でも、ほとんど台詞がないのに心情を表現する映画や淡々として静かな作品は好きなので、こういう世界観の中でミチルを演じることが出来たのはすごく嬉しかったですね。
チェン・ボーリン:最初に脚本をいただいた時、自分にとって3つのチャレンジが含まれた作品だと思いました。一つ目は、僕が演じるアキヒロという役柄です。彼はとても無口で周囲の人とも話をしないのですが、僕自身は明るい性格なので、考えたことはそのまま口に出してしまいます。このように自分とかけ離れた役を初めて演じることはチャレンジだと思いました。ニつ目は、日本語の台詞が多いことです。これほど多くの日本語の台詞がある役は初めてなので、その点でもひとつの挑戦だと思いました。三つ目は印刷工場で働いているというアキヒロの設定です。僕自身は印刷工場に行ったことすらないのですが、アキヒロは何年間もこの会社に勤めているので作業にも熟練しています。印刷工場でのインクの混合や紙のセッティングなどの作業を短い時間でマスターしなければならいということも、ひとつのチャレンジだと思いました。この3つの点に挑戦しようと思い、この仕事をお受けしたわけです。 |
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| ニューヨークロケでは危険な目にも遭われたそうですが、撮影時のことで覚えているエピソードはありますか? |
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田中麗奈:最初は、ミチルは人に見られているとは思っていないので無防備な状況で生活しています。誰も見ていない自分1人だけの世界で泣いているような姿を表現したいと思いました。その中で、徐々にストーリーが進んでいくにつれて、少しずつですがミチルの緊張が解れることもありましたし、緊張したままのこともありました。ミチルの役はやることがいろいろあったこともあり、緊張感はいつも一定ではなかったと思います。
チェン・ボーリン:アキヒロは、最初からずっと緊張している役です。勝手に他人の家に上がり込んだので音を立てられないし、ゆっくり眠ることも出来ず、ずっと周囲を観察しています。そのことは眼が見えないミチルには伝えることができませんが、映画を見ているお客さんに伝えないといけない。アキヒロは何を考えているとか、何をしようと思っているのかも、動作で表現することは出来ないので眼で現す。その点がすごく難しかったですが、努力しました。 |
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| もし2人の役が逆、つまり田中麗奈さんがアキヒロで、チェン・ボーリンさんがミチルだったら、どうしましたか?
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田中麗奈:それは、まず中国語で私が台詞をいわないといけないということですね。すごく疲れちゃう、どうしよう(笑)。ずっと緊張してじっとしているのも疲れちゃう、どうしよう? もしかしたら、私はボーリンみたいに鋭い演技が出来なかったかもしれません。アキヒロ役は本当に細やかで明確に自分の置かれた状況を把握していないといけないですが、すごいプレッシャーだと思います。でも、ボーリンが(ミチルのように)杖を突いて歩いている姿は想像できない(笑)!
チェン・ボーリン:もし僕がミチルを演じたら、たぶんお客さんはコメディだと思ってしまうでしょう(笑)。皆笑ってしまうかもしれませんね。難しいですね。ミチル役は眼で人に伝えることが出来ないし、とても難しい。想像もつかないし、僕には無理だと思います。
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| 『幻遊伝』に続いての共演ですが、お互いお会いする前には相手に対してどんな印象を持っていましたか? また、その印象は共演を通じて変わりましたか? |
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田中麗奈:ボーリンと会う前には、彼が日本で受けたインタビュー記事を読んだり、デビュー映画である『藍色夏恋』や『最後の恋、初めての恋』を見ました。ひとりの日本人として、ボーリンが日本語を勉強したり日本に興味を持ってくれることは単純に嬉しかったです。自分にも別の国で挑戦しようという気持ちがあるので、同じような人が別の国にもいるのが不思議でしたが、そういう人と出逢えることも嬉しかったです。単純に、可愛い男の子だな、純粋な感じだな、良い子だったらいいなという期待もありました。
チェン・ボーリン:共演する前から田中麗奈さんのことはいろいろ知っていましたし、出演されている映画も見ました。本当に注目されている女優さんだと思います。最初にお会いした時には、とてもピュアで天真爛漫な女性だと思いましたが、一緒に仕事をしてみると自分の考えを持ったとても才能のある女優さんだと感じました。
田中麗奈:嬉しい! でも“どうだ、言ってやったぞ!”という顔をしているような気がするんですが(笑)。
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| 2度あることは3度あるといいますが、再び共演する機会があれば、どんなストーリーでどんな役をやりたいですか? |
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田中麗奈:じゃあ、今度はボーリンが目の見えない役で(笑)…どこかで自然と戯れたいけれど、個人的な希望ですみません。でも、山に行きたい。
チェン・ボーリン:僕は海が良い。
田中麗奈:山、山!
チェン・ボーリン:海の方が良いよ。
田中麗奈:やはり、海の方が良いよね。島? あっ、沖縄が良いな。ダイビングをしたい! 全然映画と関係ないか(笑)。どんな映画に出たい? 面白ければ何でも良い?
チェン・ボーリン:そうだね。
田中麗奈:台湾から海を流されてくる。
チェン・ボーリン:違う、違う。人魚が良いよ。
田中麗奈:いいね、人魚。でも、カッパに見えちゃうかも?
チェン・ボーリン:人魚とカッパ? おかしいね(笑)。 |
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インタビューも後半になると、絶妙なコンビネーションを見せてくれた2人。とはいえ、本作では、殺人事件をきっかけに奇妙な共同生活を始めることになるミチルとアキヒロを見事に演じてくれた。ほとんどのシーンの舞台が一軒家の中であるにもかかわらず、飽きることなく一挙にラストまで見せる演技には、今さらとはいえ若い2人の実力を再認識させられた。間違いなく今年の日本映画界の収穫にあげられる1本、今秋必見の作品だ。 (取材・文:平井景)
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