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| 途中でトイレ休憩を入れたのは、音楽のA面とB面みたいなもので、A面はソフトなお笑いのもの、B面はマニアの時間みたいにしました(笑)。
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| 「好きなことを100%やろう」という何とも贅沢なテーマで作られた本作「ナイスの森」。そんなテーマをもとに、邦画史上稀にみる豪華キャストを従え作品に挑んだのは、「茶の味」の石井克人、「カスタムメイド10.30」で長編映画デビューを果たしたANIKI、CM「FANTAシリーズ」や「Smap Short Films」を担当した三木俊一郎という、3人の人気クリエイターたち。本作が「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2006」の招待作品に選ばれたことで、同地を訪れている彼らに話を聞く予定、だったが、なんとANIKI監督が前日のスキーで骨折したため、急遽東京に帰ってしまうというハプニングが! 代わりに、彼らの旧知の仲でもあり、「茶の味」「カスタムメイド10.30」に続いて本作にも出演している、俳優兼会社員・轟木一騎も交えて話を伺った。 |
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[石井克人監督]
1966年生まれ。武蔵野美術大学で視覚伝達を専攻し、東北新社入社後CMディレクターとしてデビュー。99年劇場映画デビュー作「鮫肌男と桃尻女」を監督後、「PARTY7」を手がけ、大ヒットを記録。04年には長編映画「茶の味」がカンヌ映画祭監督週間オープニング作品として上映される。
[三木俊一郎監督]
1968年生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。葵プロモーション入社後、CMディレクターとしてカンヌ、クリオ、IBMなど数々の賞を受賞。また、石井監督の「茶の味」では俳優としても出演している。
[轟木一騎]
武蔵野美術大学卒業。石井克人、三木俊一郎、ANIKIとは同級生で、「茶の味」「HAL&BONS」のBONSの声など、彼らの作品に出演している。
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『ナイスの森』
配給:ファントム・フィルム
3月25日(土)、渋谷Q-AXシネマ他全国順次公開
オフィシャルサイト:http://www.nice-movie.com/ |
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| 今回、3人で監督しようと思ったきっかけを教えて下さい。 |
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| 三木俊一郎監督:もともとプロデューサーの原田さんから、少ない予算で好きなことをしていいよ、という話が僕のところにきたのですが、僕だけだと偏りが出るので、だったら前から友達だったANIKIさんと石井さんとを引き入れて、この予算で一回好き勝手に作ってみようよ、ってことになったんですね。その時は、本当に小規模で、役者も、まあ僕と轟木だけでインターネットの端っこの方で上映して、自己満足できればいいや(笑)みたいに思っていたのですが、それがまあ幸運としか言いようがないんですけど、どんどんいい方向に話が転がっていっちゃって、気づいたら映画になってたんですね。だから、最初から3人で映画を撮るという風には全く考えてはいなかったんですよ。 |
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| 低予算で作られたとは思えないほど、豪華な俳優さんたちが勢揃いしていますが、配役はイメージ通りでしたか? また、演技には俳優さんたちのアイデアも盛り込まれているのですか?
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石井克人監督:そうですね。最初からこの役は浅野(忠信)くんに、この役は寺島(進)さんに、みたいには思っていました。
三木俊一郎監督:出てくれるといいな〜みたいな感じで、ダメもとでしたね(笑)。
石井克人監督:そうそう、とりあえずって感じで聞いてみたら、意外と「いいよ!」って言ってくれて(笑)。演技は、ほぼ全部役者のアイデアですね。僕は前もって脚本書いているんですけど、まあ、あとは、それが馴染んで見えるように、「なんとかなりますかね?」と聞くと、みんな「なんとかなります」って答えるんで。じゃあ、おかませします、って(笑)。
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| 俳優さんたちの演技がとても自然でしたが、アドリブもかなり盛り込まれていますか? |
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石井克人監督:そうですね。三木君の作品とかはシナリオないですからね(笑)。
三木俊一郎監督:ないんですよ(笑)。
インタビュアー:ちなみに、三木さんと轟木さんが出演していたホクロ兄弟にはシナリオはあったのですか?
三人(声を揃えて):あれはあったんですよ!
三木俊一郎監督:あれはかなりのテイクをとりました。
轟木一騎:二人ですっごい練習しましたもん。自主トレもしました。
三木俊一郎監督:でも監督からはまだOKが出ていないんですけど。お前たちはプロ意識が足りないみたいに言われました(笑)。 |
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| 俳優さんたちは実際に作品をご覧になって何か感想は言っていましたか? |
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石井克人監督:みんなね、自分のところしか見てないんですよね(笑)。俺のところは良かったって言います。
三木俊一郎監督:全員俺んとこ自慢です。
石井克人監督:浅野くんがちょっと怒ってましたよね。寺島さんの出番がちょっと多いんじゃないかって(笑)。しかも、なんで“もてない三兄弟”で男ばっかりと絡んでるんだって。
三木俊一郎監督:加瀬(亮)君と浅野君って同じ事務所なんですけど、映画がちゃんとつながったの初めて観た時に、加瀬くんは女の子と絡んでて、何で俺は野郎だけなんだって。撮影中は自分のパートしか分からないですからね。どうして加瀬君は女の子の胸に顔をうずめたりしてるんだって怒ってました(笑)。
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| 石井さん、三木さんは昔からの知り合いで、それぞれの分野で活躍されていますが、実際に今回一緒にお仕事をされて、お互いの監督ぶりを見ていかがですか? |
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石井克人監督:いや、すごいんじゃないですかね。素敵な演出法というか。まず、シナリオがないのに、やらせようとしてるのが凄いですよね(笑)。シチュエーションだけ伝えて、よく収まるなぁ、と思います。
三木俊一郎監督:ありがとうございます。石井さんはネタの宝庫というか、アイデアが常に詰まっているんですよね。あと役者の演出も毎回新しいところを突っ込んでくるので、そういうの全部見て、僕は真似してるだけなんですけど(笑)。だいたい、石井さんが浅野さんなり、加瀬さんなり、女優さんのキャラクターを作るんですよ。そのキャラクターを作っているのを見て、僕がやるときはあのキャラクターでお願いします、みたいな。役者さんの中で、すでに出来上がっているので、わりとアドリブで出来るんですよね。僕はそれを受け継いでいるんです。
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| 石井さん、三木さんは昔からの知り合いで、それぞれの分野で活躍されていますが、実際に今回一緒にお仕事をされて、お互いの監督ぶりを見ていかがですか? |
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轟木一騎:昔から友達なんで、ものすごいやり易いですね。全然緊張もないですしね。ただ、大学の時から彼が僕に対するイメージが変わっていないみたいで、個人的には全然違うと思うんですけど(笑)。なんか僕のイメージみたいなものがあるらしいので、その通りにやってるだけですね。
石井克人監督:メガネのおかっぱ頭のやなヤツみたいな。
轟木一騎:僕あんな髪型したことないんですけど。彼の中では、そういうキャラらしいんです。しかも、毎回あのかつらに合わせてもみ上げも剃らないといけませんからね(笑)。
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| 今回「好きなことをとことんする」、というコンセプトで作られているそうですが、最終的にはこうしようという、決まりごとはあったのですか? |
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石井克人監督:ないですね(笑)。
三木俊一郎監督:本当に好き勝手にしましたね。
インタビュアー:お互いにつっこんだりは?
石井克人監督:それもないですね。アドバイスも別にないです。最初にコンテとか、それぞれのキャラクターやシナリオとかは、お互い見せ合っていたので、お互いがそれぞれ自分なりにこうすればまとまるんじゃないか、って感じでしたね。 |
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| 映画としては珍しく今回トイレ休憩が挟まれていますが、あれは何故入れようと思ったのですか? |
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石井克人監督:あれだけは最初からアイデアにあったんですよ。せっかくANIKIが入っているから、絶対音楽系の映画にはなるだろうと思っていたので、それだったら昔のA面、B面みたいな感じでやろうってことになったんですね。だったらその間に休み時間がいるだろう、と思っていたので入れました。
インタビュアー:A面とB面の違いは?
石井克人監督:一度全部見たときに、ちょっとハードなテイストみたいなものと、ソフトなお笑いのものがあるので、ソフト目なやつはA面に入れて、ま、みんなが結構引くなってヤツはとB面に入れて、B面はマニアの時間みたいにしました(笑)。
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| この映画をきっかけに3人で会社を立ち上げたそうですが、今後はどういうことをやっていきたいですか? |
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石井克人監督:今後はいろいろやりたいですね。ま、絶対誰も見ないと思うんですけど、今ホクロ兄弟のフルCGもの作ってるんですけど(笑)、それが本当に似てて、ものすごく良く出来てるんですよ。「オムニバスジャパン」という、「攻殻機動隊」とか日本最高のCGチームたちが結集して作ってるんですけどね。あとは、「ナイスの森」から発生する細かい話とか、それをネットでもDVDでもいいので、作っていきたいな、とは思っています。以前ハワイ映画祭に行った時に、「DVDはいつ出るんだ?」みたいなことをよく聞かれたので、みんな好きなとこだけ見たいんだなーっと思いました。
三木俊一郎監督:僕は、石井さんがだいたいキャラクターとか作ってくれて、道を作ってくれるので、うまくその道を再度歩くみたいにやっていければ、と思います(笑)。作ってもらったキャラクターで別の話をやる感じで。ただちょっと思っているのは、この映画は僕らの中では、まだキャラクター紹介というか、自己紹介みたいな感じがあって、話が転がる前の段階というか、こんなキャラクターがナイスの森にいるよ、と紹介している感じなんですね。だから、今後そのキャラクターを使っていろんな組み合わせを作っても面白いかな、と思います。それは全然映画とかにはこだわらなくて、DVDとかでそういうので見れるといいですね。 |
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| 最後に、この映画のタイトルの意味を教えて下さい。また、それぞれ自分が思う一番「ナイス」なものは何ですか? |
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石井克人監督:タイトルの意味は、あの「ニュースの森」ってあるじゃないですか。あれと一緒ですね(笑)。一番ナイスなものは…全部(笑)。
三木俊一郎監督:まあ、「ナイスの森」が無事公開できたことがナイスだったな、みたいな。こんなに映画じゃないものが、こんな学生映画みたいなものが、ちゃん劇場でかかることが、本当にナイスでしたね。
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嘘のような本当の話で、舞台挨拶前日にスキーで(しかも初体験だったらしい)骨折してしまったANIKI監督は、残された石井、三木両監督と轟木さんに、「舞台挨拶の時には、この話を笑い話にしてくれ」と親指を立てて一人東京に帰路したという。舞台挨拶は案の定大ウケで、3人ともひとまずは良かったとほっとしている様子だった。
今回の映画祭は石井監督以外は初めてということで、童心に戻り満喫していた彼ら(審査員長のトビー・フーパーに会えたことをとても興奮していた)。
インタビュー中は、何しろ笑いが多く、文中でも(笑)を結構使わせてもらっているが、これでも半分以上は削っている。3人とも大学からの友達ということで、空気からも、“お互いを理解し合っている”オーラが漂っており、時に1人が言葉少なげに語っても、他2人がうなずいているのが印象深かった。
舞台挨拶をした上映は観客と一緒に観ていたようで、「お客さんの反応を見ているのは楽しかった。笑う人あり、帰る人ありで(笑)」(石井)、「そういう映画なんで(笑)」(三木)と語っていたのが、妙にウケてしまった。 (取材・文:あいあい) |
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