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インタビュー
ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記』ジョン・タートルトーブ監督インタビュー
ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記』ジョン・タートルトーブ監督インタビュー
ニコラスからは、脚本とアイデアとストーリーがしっかりしていること、そして最高の役者を揃えることをリクエストされたよ
ハリウッドのヒットメイカー、ジェリー・ブラッカイマーが手がけた大人気シリーズ『ナショナル・トレジャー』。今回第2弾となる本作は、アメリカ国民なら誰もが知っているリンカーン大統領暗殺事件の背景に迫る、ハラハラドキドキの要素をたっぷりつぎ込んだ、ブラッカイマーお得意のアクション超大作だ。前作に引き続き、メガホンを撮ったジョン・タートルトーブ監督に話を聞いた。
profile
[ジョン・タートルトーブ監督]
1964年生まれ。TVプロデューサーの父を持ち、自らも南カルフォルニア大学の映画学科で学びその後映画界に入る。90年に『パーバリアン・ブラザーズのシンクピッグ』で本格的な監督デビューを果たした後、しばらくはコメディをメインに撮り続ける。93年、ジャマイカのボブスプレーチームの活躍を描いた『クール・ランニング』が大ヒットとなり、続いてサンドラ・ブロック主演の『あなたが寝てる間に』も順調にヒット。そして96年、ジョン・トラヴォルタ主演の『フェノミナン』が大ヒットとなり、名実共にトップディレクターの一人として君臨した。04年には、『ナショナル・トレジャー』でアクション映画のジャンルにも挑戦、こちらも全世界で大ヒットとなった。
『ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記』
12月21日、世界同時公開
配給:ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン
オフィシャルサイト
本作のテーマであるリンカーン大統領暗殺事件ですが、監督はリンカーン大統領に対してどのような思いを抱いていますか。
リンカーンは、昨年アメリカで投票された、一番好きな大統領に選ばれた最も人気のある大統領なんだよ。僕が思うに、リンカーンというのは、すべての大統領の中でも、最も素晴らしい監督の素質を持った大統領だと思うんだ。何より人をまとめる力にとても長けてる。

実際、彼が大統領時代に行った政策や行動について、決してすべての国民からの支持が得られたわけではない。そのため、彼は命を落としてしまったんだけど、彼がやろうとしていたことは常に正しいことだった。やはり、アメリカがもっと成長する、もっと発展するためには、奴隷制度はなくさなくてはいけなかったからね。人間は、お互いを押しのけていくよりも、一緒に何かやった方が大きな成功がおさめられる。そういうことを彼は全部知っていたんだと思うよ。僕が彼を好きな理由はそういうところにあるんだ。

監督も同じで、映画のセットにいると実際に奴隷のように人を使ってしまうことがあるんだけど、皆で一緒にやることの方がより成功に近づけるし、とても重要だからね。そういうところは、リンカーンからインスピレーションをもらったと思っているよ。
当時の南北戦争の名残というのは、まだアメリカに残っていると思いますか?
この質問は、おそらく人によって答え方が違うし、議論される質問だと思うけど、やはり僕はアメリカはまだ戦っていると思うよ。例えば前回の選挙を見ても、北部地方の人はジョン・ケリーに投票し、南部地方の人はジョージ・ブッシュに投票する。つまり、アメリカというのはまだ分離している、あるいは断絶しているところがあると思うんだ。それは国民としてはとても残念なことだし、自分たちが思っているほど、実は進んでいない国だな、というのは実感として持ってるね。
本作で一番苦労されたところを教えて下さい。
一番大変なのは撮影の準備だったよ。例えば1ヵ所に行くと、ここでずっと撮影をしたくてもすぐ次の場所に行かなきゃいけない。ロンドンで撮影をしている間に、フランスでの作業をするわけにはいかないからね。物理的にその場所に行かないと出来ない作業というのが発生するから、移動は本当に大変だったよ。後は、スタッフ、キャスト全員が移動するというのは、ホテルや食事の準備、そして人の配置も決めないといけないからね。そういうことを考えると、本当に大変だったけど、それを全部上回るほどのメリットというのがあったから、なんとかやってこれたと思ってるよ。

それに、僕自身の個人的な免疫というのもあったかな。昔に比べて、監督になった今の方がいろんなところに行けるようになったから、移動には慣れてるのかもしれない。今回みたいに日本に来れるのもそうだし、すごくいいチャンスだと思うんだ。しかも、ディズニーが全部払ってくれてるんだよ(笑)。本当ラッキーだよ。
続編を作るにあたって、主演のニコラス・ケイジさんから、リクエストなどはありましたか? また個人的にダイアン・クルーガーさんのキャラクターが前作より際立ってきたと思うんですが、彼女の演技はいかがでしたか?
ニコラスからのリクエストとしては、とにかく自分がこの映画に出る前に、脚本とアイデアとストーリーがしっかりしていないと出ない、という風に言われたんだ。実は彼は今まで続編に出たことはないんだよ。お金につられて出るようなことを決してしない役者だからね。後は、最高の役者を揃えて欲しい、というのがあったね。

おそらく、ディズニーとしては、この映画はすでに最高の役者を揃えているから、もうちょっとギャラが安い役者がいいなと、思っていただろうけどね(笑)。ニコラスのリクエストだけでなく、僕らも観客に一番喜んでもらえるようなキャストを使いたかったから、トップクラスの役者を揃えたんだ。

ダイアンに関しては、おそらく前作よりも今作の方がリラックスして役に入れたと思うね。それはプライベートが充実しているというのもあったと思うけど、まだ1作目の時は、彼女は今まで映画に1作か2作しか出ていないような状態だったから、今回はその時に比べて経験を積んだし、そういった経験が自分の中で自信となったんじゃないかな。
登場人物たちがそれぞれ個性があり、とても生き生きと描かれていると思うんですが、何か特別な演出などはあったのでしょうか?
例えば今回ジョン・ボイドとヘレン・ミレンのコンビ、つまり元夫婦という役柄があったんだけど、彼らのように素晴らしい役者たちは、常にどうにかしてこの役に光を当てようと、どうしたらこのキャラクターに命が吹き込まれるんだろう、と可能性を模索するんだよ。で、今回はユーモアを主題にして、どうやってユーモアを取り入れるかを模索してもらったんだけど、2人は口喧嘩をするシーンでそれをやってくれたんだ。僕が支持するというより、今回出演してくれた役者たちは全てそうやって自分のキャラクターに命を吹き込んでくれたと思うよ。
劇中に“大統領だけが読める本”というのが登場したのですが、もし監督がその本を読めるとしたらどういった内容が読んでみたいですか? また、もしその本に監督が書けるとしたら、何を書きたいですか?
それは新しい質問だね。その前に、僕が思うのが、皆さんが「この本が存在するかどうかわかりませんが…」、という風に言ってくれるというのはとても嬉しい。”本が実際に存在するかどうか”、というのを皆さんが創造してくれたというのは、僕らが非常に良い仕事をした結果とも言えるからね。僕が読みたいのは、アメリカがこれまでに異星人、宇宙人という存在をちゃんと調査したか、というのが知りたいね。というのも、僕たちはこれまでそういう話をたくさん聞いてはきたけど、それが実際にいつ分かったのか、というのが知りたいかな。僕がもし書けるとしたら、自分の赤ちゃんの写真を入れておくね。そして大統領には「彼のことをよろしくね」と書いておくよ(笑)。
監督は今まで主にコメディ作品を撮られていましたが、この映画、つまりアクション映画を撮ることで監督自身が変わったところはどこですか?
ちょっと変に聞こえるかもしれないけど、この映画はコメディだと思うんだ。もちろんアクションシーンもあるし、歴史的な要素もあるんだけど、でも僕の中で、最終的にハッピーエンドで終わる映画というのは、コメディの一種だと思っているんだ。

僕にとってコメディというのは、日常生活の中にあるようなユーモアを、どうやって画像の中に落とし込んでいくかということなんだよ。例えば人が面白いことを言って皆が笑う、そんな普通のことを映画でも出してきたいと思うんだ。ただ、冗談を言わせるために事実を折り曲げるということはしたくない。ある登場人物が何かの状況に陥ってしまった時に、ちょっとしたユーモアを加えたいと思っているんだよ。
監督はあまりCG使わないとお聞きしたのですが、それはなぜですか?
それは間違いだよ(笑)。僕としては、必要がなければCGを積極的に使いたいという人間ではないんだけど、ブルースクリーンの前に役者を立たせても、ちゃんとしたことができるならやりたいと思うよ。実は今回の映画の中でもとても多くのCGを使っているんだ。聞いたらびっくりするぐらい、本当に多くのシーンで使っているんだよ。それは、僕が監督として経験を積んで、結構いろんなことがCGでできるんだなというのが分かってきて、CGをやることによって映画がよりいい作品になるんだってことが理解できるようになったからなんだ。
監督自身は、昔からこういった都市伝説や謎、宝探しというのが好きな少年だったのですか?
僕は子供の時から宝探しが大好きな少年だったんだよ。よく家の裏で、数百年前に使っていたであろう豆の入った豆の缶を見つけたり、あるいはインディアンが使っていたような岩を見つけたりして、楽しんでいるような子供だったからね。宝探しは、発見したことによる喜びだとか、今まで理解されなかった真実がそれによって分かったりとか、そういことが自分の中で吸収できることが魅力だと思うんだ。ただ、問題はそれが単に楽しい話で終わってしまうとただのおとぎ話になるわけで、そこにどれくらいドラマチックさを求められるか、表現できるかというのが映画に必要になってくるんだよ。
編集部の呟き
恥ずかしながら、ジョン監督が実はコメディ出身の監督だと知らなかった私。でも確かに、壮大なスケール、アクションシーンのオンパレードでありながらも、どこか人を飽きさせないような、テンポの良さやタイミングの上手さが際立っており、そこがある意味本作の最大の魅力ではないかと思いました。当の本人は、今シリーズで大御所の仲間入りをしたにも関わらず、陽気なアメリカ人といったところ。“カントク”という日本語が気に入ったらしく、やたら連呼してました。
(取材・文・写真:篠原藍)
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