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インタビュー
『東京小説 〜乙桜学園祭〜』桜井亜美、安達寛高(乙一)インタビュー
『東京小説 〜乙桜学園祭〜』桜井亜美、安達寛高(乙一)インタビュー
もう徹夜につぐ徹夜で、永遠に終わらないかと思いました(笑)。
デビュー作にして映画化された衝撃作『イノセントワールド』、原案だけでなく脚本にも関わった『虹の女神』の“桜井亜美”と、『ZOO』『暗いところで待ち合わせ』、そして公開が控えている『きみにしか聞こえない』の“安達寛高(乙一)”だ。現代の若者を鋭く、そして美しく描き、ピュアで力強い世界をかたどる桜井亜美、不思議な空気感を生み出す安達寛高。それぞれの小説家が「東京でひとりぼっちの少女」をテーマに<書き下ろし>た珠玉の物語たち。本作についてふたりの監督に話を伺った。
profile
[桜井亜美]
作家。東京都生まれ。17歳の女子高生アミを主人公に、新しい現実感と「生」のあり方を描いた「イノセント・ワールド」でデビュー。同作は竹内結子・安藤政信主演、下山天監督で映画化される。著作に「MADE IN HEAVEN」「First Love」「チェルシー」「ツギハギ姫と波乗り王子」など多数。岩井俊二プロデュースラジオドラマ「虹の女神」では、脚本・監督をつとめ、映画「虹の女神 Rainbow Song」では原案・共同脚本、小説執筆を務めている。

[安達寛高]
1978年、福岡県生まれ。「乙一」という名義で作家活動中。作家としての代表作は『GOTH』、『ZOO』、『暗いところで待ち合わせ』、『銃とチョコレート』など。映画化最新作は、成海璃子、小出恵介主演『きみにしか聞こえない』。2007年6月16日の公開が決定している。
『東京小説 〜乙桜学園祭〜』
配給:バイオタイド
6月2日、ユーロスペースにて期間限定公開!
オフィシャルサイト
『東京小説 〜乙桜学園祭〜』が企画された経緯について教えてください。
桜井:もともと私が『虹の女神』の脚本を書いた後に、今回上映する『人魚姫と王子』を作って。30分くらいの作品だし、1本だけでやるより誰かの作品と一緒にできないかなと思って。そのとき頭にフッと浮かんだのが安達さんだった。以前、岩井俊二さんの会社でお会いしたときに、「映画を撮ってる」と話していたのを思い出したんです。

安達:僕は2年くらい前に撮影をし終えていたんですが、桜井さんに声を掛けてもらったときは実はまだできてなかったんです。3Dの加工等に時間がかかってしまっていたのと、その間に書く方の仕事もしていたので…。今回、桜井さんに声を掛けてもらって、音響の方も紹介してもらったことで、完成させることができました。感謝しています。

桜井:全然違うところから作品はスタートしてたのに、私の『人魚姫と王子』と安達さんの『立体東京 3D-TOKYO』も、“東京”が舞台で、“ひとりぼっちの女の子”が主人公で。すごいですよね。
『東京小説 〜乙桜学園祭〜』桜井亜美、安達寛高(乙一)インタビュー
桜井さんの作品『人魚姫と王子』はまず“色”がとても印象的でした。
桜井:つぐみさん演じる彼女の心情を表現するために、今回は色や絵に気を配りました。撮影の尾道さんと、最初は色を抑えめにして…とか、エフェクトもどうかけるか…とか相談して。何度も何度も調整しては失敗して、やり直して。そういう部分にとても気を使いました。
主演のつぐみさんや柏原収史さんの役も、いままで見たことがないキャラクターでしたね。
桜井:つぐみちゃんには白と黒の服しか着ない女の子ナジュ役を演じてもらいました。いろんな衣装を着てもらったんですけど、どれもすごく似合っていて可愛かった!!本人も楽しんでくれたみたいです(笑)。凍えるような真冬の屋外で、ミニのメイド服一枚でがんばってもらって・・・・、でも寒さをまったく表情に出さない女優魂にまたファン度があがりました。柏原くんって彼本来の雰囲気は、ほんとうにやさしくて人懐っこいんですが、それをあえて押さえてもらって。彼にはめずらしい引っ込み思案なキャラクターを演じてもらいました。つぐみちゃんと柏原くんの心がだんだん交差していくストーリーなんですが、何気ない日常の中から生まれてくる、ハートウォーミングな恋を表現するには、彼らの演技力がすごく大切でした。もちろん2人とも見てるスタッフがトキめくぐらい上手く演じてくれて…。パーフェクトとしかいいようがないです。
安達さんの『立体東京 3D-TOKYO』は、タイトルからわかる通り3D映画です。なぜ立体の映画を撮ろうと思ったのですか?
安達:もともと僕は自主映画を撮ってて、その中で、映画にこだわらない作品を作ってみようかなと考えていたことがきっかけです。商業映画と違って、自主映画はどういうスタイルで撮っても自由な立場にあるわけで、だから映画の演出とかにこだわる必要はないかな、と思って。僕がすごく好きな人形アニメとか特撮とかはすでにやっている人が多かったんですが、赤と青のメガネをかけた立体映像というのをやっている人はあまり見かけないので、ではやってみようと。手元にあるホームビデオとパソコンだけでできるんじゃないかとも思いましたし。それと、自主映画でまったく無名からやっていく時に一番難しいのが、作品をどうやって人に見てもらうかですよね。作品だけを単体で見て人が興味をもつためにはなにかしらのフックが必要だなと。「立体映像集」なら見てみたいと思う人がいるんじゃないかと思って、そこから立体の研究を始めました。
『東京小説 〜乙桜学園祭〜』桜井亜美、安達寛高(乙一)インタビュー
実際に撮ってみていかがでした?
安達:研究を始めたばかりの頃は立体映像に見えなかったんです。プレミアっていう編集ソフトで合成してたんですけど、どういう行程を踏んだら立体に見えるんだろう、とかまったくわからなかった。当然ビデオカメラも、当時自主映画で使っていたカメラが1台しかなくて、なんとか1台のカメラで取れる立体映像はできないものかと考えたり…(※立体映像は、通常2台のカメラを使って撮影します)。大変ではありましたが、そういう技術を身につけられるというか、開発していくのが楽しかったですね。
一番大変だったことを教えてください。
桜井:編集!果てしなかったです。岩井さんから「一歩も外に出られないよ」と聞いてはいたんですが…。その間に小説も書かないといけないし、しかも編集作業を進めていくうちにいろいろわかってきて、そうするとここも直さなきゃ、あそこも変えなきゃって。もう徹夜につぐ徹夜で、永遠に終わらないかと思いました(笑)。

安達:僕も編集ですね。合計60分くらいの映像をアフターエフェクトっていうソフトで管理することになってしまい、途方もないことになってしまって…。しかも2台のカメラで撮った右目用と左目用の映像を0コンマ何秒のズレもなく合わせないといけないんです。少しでもズレると立体映像として浮き上がってこないので、大変でした。
そんなお2人の作品が6月2日より『東京小説 〜乙桜学園祭〜』として公開されます。公開中にはイベントを開催するそうですね。どんなイベントになりそうですか?
桜井:サブタイトルの<乙桜学園祭>がイベント名で、出演してもらっている方々やメインビジュアルのイラストを描いてくれた古屋兎丸さんをゲストを招いてトークイベントを開催します。私も毎日劇場に行って、舞台挨拶をしますよ。

安達:僕も毎日劇場に行きます。

桜井:<乙桜学園祭>っていう名前の通り、来た人みんなが気軽に楽しめるイベントにしたいんです。だから舞台挨拶で聞く質問を公式サイトで募集したり、公式パンフレットも学園祭のプログラムみたいなノリにして、私、安達さん、古屋さん、柏原くん、滝本さんの直筆イラストやここだけのメッセージを収録していたり、いろんなところに遊び心を散りばめています。期間限定のイベントなので、ぜひ劇場に遊びにきてくださいね。
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