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| 最後の叫びは想像していただきたいんです。
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| 『回路』『CURE キュア』など、送り出す作品全てが世界中でも熱狂的な評価を獲得している巨匠・黒沢清監督が初めて本格的なミステリーに挑んだ『叫(さけび)』。黒沢監督、黒沢作品7作目の出演となる役所広司、『天使の卵』の小西真奈美、『硫黄島からの手紙』の好演も記憶に新しい伊原剛志が、本作について語ってくれた。 |
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[黒沢清監督]
1955年7月19日兵庫県生まれ。立教大学在学中より8mm映画を撮り始め、『しがらみ学園』で1980年度ぴあフィルム・フェスティバルの入賞を果たす。96年に『CURE キュア』を発表し、世界的に注目を浴びる。その後も『ニンゲン合格』(99)、『カリスマ』(00)、『回路』(01)など、圧倒的な作品力で揺るぎない評価を得ている。
[役所広司]
1956年1月1日長崎県生まれ。『Shall we ダンス?』(96、周防正行監督)で数々の映画祭の主演男優賞を受賞し、脚光を浴びる。翌年にはカンヌ国際映画祭パルムドール賞受賞作品『うなぎ』(今村昌平監督)で主演、同年『CURE キュア』(黒沢清監督)で東京国際映画祭最優秀主演男優賞を受賞。近年は『SAYURI』(05、ロブ・マーシャル監督)、『バベル』(06、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督)などでハリウッドに進出し、日本を代表する国際派俳優として活躍している。
[小西真奈美]
1978年10月27日鹿児島県生まれ。98年の舞台『寝盗られ宗介』で女優デビュー後、つかこうへい作品の舞台に次々と出演し、その演技力が高い評価を得る。02年『阿弥陀堂だより』(小泉堯史監督)で映画デビューし、ブルーリボン新人賞と日本アカデミー賞新人女優賞を受賞した。また、数多くのテレビドラマやCMにも出演し、今最も注目される女優の1人である。
[伊原剛志]
1963年11月6日大阪府生まれ。JAC(ジャパンアクションクラブ)を経て、83年舞台「真夜中のパーティ」で俳優デビュー。その後は多数の舞台やテレビドラマで活躍中。また、『硫黄島からの手紙』(06、クリント・イーストウッド監督)では、英語のセリフを難なくこなし、世界に通用する演技力を見せ付けている。
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『叫(さけび)』
2007年2月24日よりシネセゾン渋谷、新宿武蔵野館ほか全国にて公開
配給:ザナドゥー+エイベックス・エンタテインメント+ファントム・フィルム
オフィシャルサイト:http://sakebi.jp/index.html |
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| 本作では水の出てくる場面がとても印象的でした。監督が一番こだわったシーンを教えていただけますか? |
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| 黒沢清監督:これまでも水が出てくる映画はあったのですが、今回は単なる背景として扱ったわけではありません。登場する湾岸地帯は埋め立てられたものですが、人々は元々そこが海であったことを忘れています。そんな中、ふとしたことで海が復活してくる、というイメージがあったので、ひっそりと溜まったような水溜りが画面のあちこちにあることを心掛けました。 |
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役所広司:黒沢監督の作品は7本目で、毎年お声が掛かるのを待っていました。監督の作品であれば、ぜひ現場に行きたいと思っていました。
小西真奈美:正直申しまして、怖い映画は得意ではないのですが、監督の作品は拝見した経験がありました。ぜひ一度お仕事させていただきたいと思っていました。
伊原剛志:まず、黒沢さんの作品であるということ。台本を読む前から出たいと思いました。役所さんとからむシーンも多いですしね。 |
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役所広司:黒沢監督の作品は7本目で、毎年お声が掛かるのを待っていました。監督の作品であれば、ぜひ現場に行きたいと思っていました。
伊原剛志:まず、黒沢さんの作品であるということ。台本を読む前から出たいと思いました。役所さんとからむシーンも多いですしね。
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| 監督はかつて“葉月里緒奈さんの幽霊姿を見てみたかった”とおっしゃってましたが、実際彼女の幽霊姿をご覧になった感想はいかがでしたか。 |
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黒沢清監督:単に怖さだけを狙ったものではなく、過去に生きていたものとして幽霊を扱おうとしました。それにしてもラッシュの段階を見た時、やっぱり怖いなと思いました。怖い目つきをしてくれと指示したことはなかったんですけどね。葉月さんに幽霊役をやっていただいてよかったと思います。
役所広司:葉月さんの幽霊役は、僕も怖かったです。やはり、男の幽霊と違い、女の幽霊は無表情で立っているだけで怖いですよね。女性が無表情でいることに対して恐怖感を感じる…潜在的にそういう思いがあるんでしょうね。 |
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| 本作を撮影中に怖い思いをしたことはございましたか? |
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役所広司:怖い映画でしたが、現場はとても楽しかったんですよね。
小西真奈美:すごく怖がりなのですが、幽霊は全く見えないんですよ。見えないから怖がりなのかもしれませんけど。現場がすごく楽しかったので、家に帰って何かを見たりということはありませんでしたね。 |
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| 黒沢清監督:ないですね。でも幽霊は架空の存在ではないと思うんです。かつて実在していたわけですから。それほど突飛な存在ではないと思います。
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| 黒沢清監督:深い理由があるわけではないんです。何でもない普通の服でも良かったんですよ。でも赤は目立つ色ですから、今回は赤にしたんです。白は貞子のイメージがあり、黒は前作「LOFT ロフト」、緑は「降霊」、黄色はやっていないと思ったんですが、プロデューサーの一瀬隆重さんが「仄暗い水の底から」で使われたと教えてくれて。余談ですが、まだやっていない秘策は“全裸”ですね。ぜひ一度やってみたいと思います。 |
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| 黒沢清監督:脚本を書くときに誰かを想定しているわけではないんですが、役所さんともう一度一緒にやりたいという思いが沸き起こってきたんですよ。葉月さんに関しては、本格的な幽霊役をやっていただきたいと思ったんです。小西さんは、若くて役所さんに引けをとらない演技力があるということでお願いしました。伊原さんが演じたのは、本作で唯一ノーマルな役なんです。彼の出演作を見た中で、彼に嘘はない、そう思わせる何かを感じたんです。しかし最も誠実なはずの宮地が、一番悲惨な目に遭うんですけどね。 |
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インタビューの際はいつも硬くなってしまう私。でも、それぞれの質問に対し丁寧に答えて下さった黒沢清監督、柔和な笑顔で場を和ませて下さった役所広司さん、今までに拝見したことがないほどの子顔美人だった小西真奈美さんのお話を聞いているうちにだんだんと緊張がほぐれていきました。また、伊原剛志さんがラスト近くの水のシーンを面白おかしく語る姿も印象的でした。本作の鑑賞後はぜひ、最後の叫びについて語り合って下さい。ちなみに、私は聞こえました!
(取材・文:田嶋真理、写真:山本絵里)
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