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| どこまでが友情で、どこからが恋愛だということは、わからなくていいんじゃないかな。
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| 映画『いま、会いにゆきます』、TVドラマ「ちゅらさん」「若者のすべて」などの
ヒット作で知られる人気脚本家・岡田惠和が初めて書き下ろした小説は、男女3人の友情と恋の物語。彼が長年温めてきたこのテーマに深く共感した映画スタッフにより、日本映画界の常識を破って原作本の出版前に映画化が決定。誰よりも、お互いの幸せを願った幼なじみ3人による、切ない程に純粋な青春映画が完成した。今回、本作の原作・脚本を担当された岡田さんにお話しを伺った。 |
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[岡田惠和]
1959年2月11日、東京都出身。雑誌ライターの仕事を経て、90年に「香港から来た女」で脚本家デビュー。TVドラマの代表作に01年「ちゅらさん」(NHK)、05年「あいのうた」(NTV)、映画の代表作に『スペーストラベラーズ』(00)、『いま、会いにゆきます』(04)などがある。99年文化庁芸術選奨文部大臣新人賞受賞、01年橋田賞、向田邦子賞をW受賞。
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『天国は待ってくれる』
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
2月10日(土)丸の内ピカデリー2他全国松竹・東急系にてロードショー
オフィシャルサイト:http://tengoku.gyao.jp/ |
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| 脚本と原作、同時に書かれて、また内容も若干違うものだとお伺いしましたが、はじめから双方のイメージがおありだったのですか?
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最初は原作からです。物語は変わらないのですが、原作は、男2人女1人という三角形の関係を、男1人、女1人の視点から見るという作りになっていて、お互いに思っていることの温度差を描きました。映画の場合はそうではなく、3人均等な三角形の関係を意識しています。でも描き方が違うだけで、物語の本筋は変わらないです。
Q.では、小説を書き始めた当初から、映画化を念頭に置いていたのですか?
書き始めの頃はそうでもなかったのですが、同時進行で映画の脚本を進めて、先に脚本を仕上げることになりました。なので、そこからは映画化を意識したかもしれませんね。
Q:器用ですね(笑)。
今回のようなケースは一般的にはあまり例がないと思いますよ。
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| 初の小説ということですが、ある意味王道でもある“幼馴染の男2人と女1人の間の友情”を、テーマに選んだのはどうしてですか? |
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これだけ仕事をしてきて、実は今までその王道に取り組んでいなかったんです。いつかやってみたいと思っていて、映像(脚本)だけでなく書けることもあるんじゃないかと感じたんです。ある意味で言うと、ずっとやってみたかったテーマを初めての小説で実現したということですね。
Q:岡田さんご自身は「男女の友情」は成立すると思いますか?
思いますよ。男女間で親友だってあり得ると思います。
Q.佐和子とご自身の共通点はありますか?
似ているところは、前向きなところや積極的なところですね。似ていないところは、佐和子は悩みを一人で抱え込んでしまうんですけど、私は周囲に言うタイプなので、そういうところは違います。
北乃きい自身は、どちらかというと大浦君タイプだと思うんです。実生活では、どちらかというと、佐和子とは真逆ですね。
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| どこまでが友情で、どこからが恋愛なのかというのは、当人ですら判別が難しい気持ちだと思いますが、岡田さんの中の線引きを教えて下さい。
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感情が混ざっている恋愛や親友もあると思いますよ。ここからが友情でここからが恋愛感情だとキレイに線引きできることは、実際にはあるのかもしれないし、ないのかもしれない。それは…うん、難しいですね(笑)。でも、どこまでが友情で、どこからが恋愛だということは、わからなくていいんじゃないかという気がします。
Q:では薫の武志への想いもまるっきり友情だったというわけじゃないんですね。
もちろん、そうです。宏樹には愛情で武志には友情だったという、簡単な感情だったわけではないんですね。
Q:映画のように、友情か恋を選ばなければならなくなったとき、岡田さんならどちらを取りますか?
逃げる(笑)。どちらかを取る勇気がないので、どっちも選ばないで消えます! |
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| 本作で初めて築地市場での撮影が実現されたのですが、岡田さんご自身は、築地にどんな思いを持っていましたか。また実際行かれて見て、どう感じましたか?
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仕事とは関係なく築地は好きな場所だったので、以前から割と足を運んではいました。でも、実際、仕事をするとなって築地に入ると、また違いましたね。改めて見てみると都心の真っ只中にある市場なんだなと、感じました。築地というほんの狭い地域だけ、そこに携わっている人がいっぱいいて、でもちょっと歩くともう銀座という、人が住む場所ではなくなるではないですか。そういう意味で、ユニークな所だなと思います。
Q:現場ではターレーが頻繁に行きかって大変だったみたいですね。
アレは恐いですよ。基本的にターレー優先な世界なので、人が彼らを避けるのが基本なんですよ。人がどんなに近くにいても、全く速度を緩めずにきますからね。ぶつかる方が悪いと言われてしまうので、厳しいですね。撮影だからといって止まってはくれなかったみたいですし(笑)。大変だったみたいですよ。
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| セリでのシーンが非常に面白かったのですが、セリの人たちが何を言っているのかはさっぱりでした。岡田さんはおわかりになりました?
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| いや、全然(笑)。その辺のことは、もう築地の方たちが協力してくれたので、お任せしていました。だからリアリティがあるんじゃないかと思います。 |
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| 植物状態になる危険を孕みながら眠り続ける武志を、周囲の人たちは温かく見守りますよね。普通なら看病する側のストレスや諍いなど色々とあると思うのですが、そういうシーンは一切ありませんでしたね。 |
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| もし実際に、自分の好きな人や大切な人が武志のような状態になった時に、この映画のようにいられるかどうか。それはわからないけれど、ただ映画のように毎日病室に通っていくと、人はいつまでもずっと悲しい顔ばかりはしていられないですよね。そこが生活の場となっていくから、僕としては映画のようなこともあるんじゃないかなと。皆がそこにいることで、逆に言うと、武志がそこで寝ていることで、みんなが必ず会える場所が出来たわけです。そうなることで前よりも、関係が蜜になったりとか、そこで季節を送ったりとか、そういうことを今回描いてみたかったんです。その辺はすごい好きなシーンですね。
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| テレビドラマの脚本と、映画の脚本では、何が決定的に違いますか? |
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書くという作業自体は変わらないんですけど、映画の方が、観客が観てくれているということを信じて書けるんです。つまり、TVというのは、皆さん右手にリモコンを持ちつつ観るでしょ。最初の方で何かよくわからないとチャンネルを替えちゃうじゃないですか。でも映画は少なくともほとんどの人が、映画館に足を運んだ以上、一応最後まで見守ってくれる。そういう安心感がありますね。TVはそこに甘えちゃいけないというか、そこが戦いなので。そういう意味では映画とTVは違いますね。
Q:そういった気持ちがストーリー展開に反映されるということもあるのでしょうか。
あると思いますよ。今回で言うと、本編が始まってわりとすぐに、シーンが子役たちに移るんですけど、あれはやっぱりTVではなかなか出来ないですね。映画だからこそ、自分ではあのシーンを書いたんじゃないかなと思います。
Q:岡本綾さんの子役の子がビックリするくらいすごいそっくりでしたね。
本当そっくりでしたよね。あの子は子役オーディションの時に、顔を見ただけで決まりましたからね(笑)。
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| 脚本家として1番辛かった事、または嬉しかったことは何ですか? |
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| 辛いことはいっぱいあるんですが(笑)、基本的には好きなんだと思います。だからやめたいと思ったほど、辛いと思ったことが逆にないんです。もちろん、例えば自分が書いたものが、なかなか人に届かないときは、悔しかったりもしますけど。そういう意味でいったら本当に辛いと思ったことはないかもしれないですね。
嬉しかったことは、一度ご一緒させて頂いた役者さんが、もう一度演じたいと思ってくれたときですかね。それは役者さんに限らず、スタッフにしろ監督にしろ、「岡田が書くならもう一度出るよ。やりたい」と思ってくれたら、それが1番の脚本家としての評価だと思うし、実現したときが1番嬉しいときですね。もちろん映画でしたら興行成績とか、TVなら視聴率とかありますが、やっている側の手応えというのは、必ずしもそれとイコールではないんですよ。
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| 今回、小説家デビューされましたが、今後も脚本家として活動されるのでしょうか? |
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やっぱり脚本を書くのが好きなので、脚本家がベースにあるのは変わりないですね。今回小説を書く楽しさを味わったし、またやってみたいとも思っていますけど、人と作っていくことが好きなので、自分に向いているのは脚本家だと思います。
Q:今後、書いてみたい脚本の構想などはおありですか?
まだ具体的にはないけれども、例えば自分が小説を書いて、それを元に誰かに脚本を書いてもらったら、どうなるんだろうな、なんて思ってもいます。
Q:脚本家として、監督にご注文をつけたりはしなかったのですか?
いつもそうですけど、話し合いはしても、基本的には脚本は預けるものだと思っているので、「こうして欲しい」「ああして欲しい」とかは、一切言わないですね。その方が仕上がったときに楽しいですし。そこにはきっとサプライズがあると思いますしね。
Q:今回も何かサプライズがありましたか?
いっぱいありましたよ。今回の台本というのは、監督によっては、ものすごく過剰に激しく撮ることも出来るけど、土岐監督はそれをせずに、端正にすごく丁寧に撮っていますよね。実はいっぱい激しいことは起きているんだけど、それをあまり意識しないで観ていられる。そういう風に仕上げたのは、すごいなと思いました。
文章にしてみると、事故はあるは、植物状態になるかもとか、大変な話なんですけどね(笑)。しかしそれを感じさせない演出になっているのは、僕としては有難かったですし、嬉しかったですね。
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| 脚本家を目指している方にアドバイスをお願いします。 |
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物を書く職業に就きたいと思っている人の中で、全部自分でやらなきゃ気の済まない人は、多分向いていないですね。脚本家というのは、映画なりドラマなり、作るという部分の共同作業の中のひとつなんです。小説家とか詩人とは違い、人と一緒に物をつくることが楽しいと思えるか、そうでないか。それが良い悪いではなく、そこが向き不向きの大きな境目で、自分を見極めるポイントだと思います。
Q:小説家と脚本家の違いは、そこなんでしょうか。
そうですね。小説は自分の中で100パーセント完結するものだけど、脚本はある意味、設計図で、それを人に渡したら、あとは人が作るもの。委ねるって部分が大きく違いますね。
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本作のタイトルは『天国は待ってくれる』だが、最初『待ってくれない』の間違いでは?と思ったと正直に言うと、「普段よっぽど辛い生活をしてるんだね」と、同情されてしまった筆者(笑)。
超がつくほどの売れっ子脚本家の岡田さんだが、物腰が柔らかい穏やかな方で、丁寧に質問に答えて下さり、映画同様ほんわかした雰囲気のインタビュー時間だった。
因みにお好きなネタは“まぐろの中トロ”だそうです。築地のお寿司は安いし美味しいと絶賛されていたので、皆さんも是非行ってみてください! (取材・文:山本絵里)
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