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| これは、マッチョですが非常に虚無的で空しい男たちを描いた作品です。 |
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| クォン・サンウ、ユ・ジテの共演で日本でも早くから注目されていた『美しき野獣』が、いよいよ公開される。メガホンを取ったのは、本作が長編監督第一作となるキム・ソンス監督。パク・チャヌクを始め、多くの実力派監督の下で助監督を務めた気鋭の新人だ。プロモーションのため来日した機会に、本作の魅力について聞いた。 |
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[キム・ソンス監督]
1971年生まれ。ソウル芸術大学映画科在学中から短編映画の分野で才能を発揮し、94年に『ホテルカリフォルニア』でソウル芸大“芸術の光創意”賞を受賞。95年には『暴力映画』で金冠短編映画祭優秀賞と演技賞や、釜山短編映画祭で審査員特別賞を受賞するなど、毎年、男性的でダイナミックな短編作品を製作し、高い評価を得てきた。自身の作品と平行し、パク・チャヌク、ソン・ヘソン、チェ・ユンソクら有名監督の作品で助監督を経験。本作で長編映画監督デビューを果たした。 |
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『美しき野獣』
配給:東芝エンタテインメント
2月11日(土)より日韓同時公開
オフィシャルサイト:http://www.beautiful-beast.com/ |
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| デビュー作に、今回のテーマを選んだ理由を教えて下さい。 |
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| 好きな映画のジャンルのひとつに70年代の米国のニューシネマがあるのですが、その中でも裁判映画がすごく好きでした。今回、初めて長編を撮るにあたっては、最初から社会性のある作品を撮ろうと決めていたのではないのですが、パワーのある作品を撮りたいと漠然と考えていました。新人監督にとっては滅多にないチャンスなので、色々と模索した結果、このテーマにしました。 |
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| 多くの俳優の中から、ユ・ジテさんとクォン・サンウさんを起用した理由は? そして、二人のコンビネーションは、予想通りでしたか?
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| お二人とも御本人がぜひ出演されたいという気持ちだったこともキャスティングを決めた理由のひとつですが、大人の社会に馴染みきっていない、少年っぽさが残っているような役者さんが良いと思ったからです。何故かというと、この映画に出てくる二人の主人公は、大人の社会に上手く適応できず、ぶつかっては壊れ、少しずつ自分の中で変貌を遂げていきます。彼らが本当の大人になっていく過程が、この作品では描かれています。彼らが直面する大人の社会の現実問題、それは韓国社会の暗部でもあるわけですが、そういった部分を見せるにあたっては、少し大人になりかけている人がいいかなと思い、このお二人に決めました。
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| ユ・ジテさんが演じたオ・ジヌ検事と比較すると、クォン・サンウさんが演じたチャン・ドヨン刑事はその言動が過度に感情的でしたが、このような役柄に設定にした理由を教えて下さい。 |
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| 先程の話にも通じていますが、ユ・ジテさんが演じたオ・ジヌは理性的で大人びた部分を持っている検事です。彼と対照的な存在としてクォン・サンウさんが演じたチャン・ドヨン刑事は、簡単に興奮する性格で、自分が進むべき方向すら見失ってしまうような、大人の理性を持たないキャラクターが良いと思いました。オ・ジヌ検事は常に冷静ですが、どこかに不安感と脆さを持っている人物像です。強い信念を持っていますが、その信念を貫くためには、多少初心が崩れても構わないという相矛盾した部分がある、強さと弱さの両方を持っている人物像が望ましいと思いました。ソン・ビョンホさんが演じた悪者のユ・カンジン役については、すごく大人で余裕綽々、どんな状況にも対処でき、理解が早く打算的で判断が速い人物を考えました。 |
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| ラストシーンのオ・ジヌは、まるで生前のチャン・ドヨンのようなルックスでしたが、あのシーンに監督が込めた思いを教えて下さい。 |
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| この映画は男の話です。マッチョですが非常に虚無的で空しい男たちを描いた作品だと思います。ラストシーンでは、オ・ジヌは証拠品のメモを持ってるのにもかかわらず、目の前にいるユ・カンジンを裁くことが出来ないという敗北感に浸っています。かつてのオ・ジヌは自分の原則や強い意志を持っていましたが、今となってはそれらは崩されてしまった。しかも自分が尽くしていた組織に潰されてしまったわけですね。結局、彼に残されたのは、暴力でしか裁くことが出来ないという道だったわけです。しかし、私がラストシーンに込めた思いは、どうして暴力に対しては暴力によってしか締め括ることが出来ないのか? 誰が、何が、オ・ジヌをそのようにさせたのだろう? ということを皆さんに考えて欲しかったのです。そういう気持ちを込めました。 |
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日本でも人気の二大スターを主役に迎えただけあり、『美しき野獣』に対する期待は大きなものがあるが、出来映えもそれを裏切ることのない作品となっている。巨匠たちから学んだノウハウに自らの映像美学を盛り込み、見事なエンタテインメント映画を作り上げたキム・ソンス監督。これからの活動から目が離せない。
(取材・文:平井 景) |
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