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[全米ランキングウォッチ]
第12回:低調気味のアメリカ興行トップを制したのは心理サスペンス映画
09.24 更新
 アメリカの映画興行はここのところ、やや低調気味だ。先週は1000万ドルを突破した作品が4本あったのに対し、今週は2本だけ。しかも、先回ランキングNo.1だった「Burn After Reading」の興収は1912万ドルと2000万ドルに迫っていたのに対し、先週末公開の「Lakeview Terrace」は1500万ドルと2000万ドルには遠く及ばなかった。今月は派手な娯楽映画で溢れる夏シーズンとオスカー候補作が続々と公開される秋シーズンに挟まれているためなのかもしれないが、早く回復してもらいたいものである。米国時間9月22日(月)集計の興行成績は以下の通り:
第12回:低調気味のアメリカ興行トップを制したのは心理サスペンス映画
いやがらせ警官役が妙にハマるサミュエル・L・ジャクソン主演作がトップに
(C)Everett Collection/NANA TSUSHIN
1.「Lakeview Terrace」:1500万ドル
2.「Burn After Reading」:1103万ドル
3.「My Best Friend’s Girl」:827万ドル
4.「Igor」:780万ドル
5.「Righteous Kill」:742万ドル
6.「Tyler Perry’s The Family That Preys」:727万ドル
7.「The Women」:542万ドル
8.「Ghost Town」:501万ドル
9.「ダークナイト」:292万ドル
10.「The House Bunny」:266万ドル

 ランキング1位の「Lakeview Terrace」は、白人男性(パトリック・ウィルソン)と黒人女性(ケリー・ワシントン)のカップルが理想の家を手に入れたと思って引越して来たら、隣は異人種間の結婚を認めない強面の警官(サミュエル・L・ジャクソン)で何かと嫌がらせを受けるという心理サスペンス・スリラー。

 3位でデビューした「My Best Friend’s Girl」はケイト・ハドソン主演のロマコメだが、2003年の「あなたにも書ける恋愛小説」以来の低興収デビューとなってしまった。4位の「Igor」は、フランケンシュタインに出てくるせむし男イゴールが主役のMGM社のCGIアニメ。主役のイゴールの声は、ジョン・キューザックが担当している。

 8位でデビューした「Ghost Town」は、リッキー・ジャーヴェイス(「The Office」)演じる主人公が手術中の事故で死亡したものの、7分後に奇跡的に生き返るが、それをきっかけに幽霊が見える特殊能力を授かってしまうというコメディ。

 9位の「ダークナイト」はランキング入り10週を数え、合計の興収は5億2200万ドルに達しているが、今週がランキング入り最後の週になるかもしれない。

 限定公開作品では、キーラ・ナイトレイがタイトルロールの公爵夫人を演じている「The Duchess」が、公開観わずか7館で20万2500ドルを稼ぎ出す好成績を収めている。エド・ハリスが監督・主演、ヴィゴ・モーテンセン、レニー・ゼルウィガー共演の西部劇「Appaloosa」も14館で25万8000ドルの興行成績を挙げて健闘中。

 今週末は、「ディスタービア」の監督D・J・カルーソがシャイア・ラブーフと再びコンビを組んだアクション・スリラー、「イーグル・アイ」や、第二次大戦中にイタリアで戦った黒人部隊にフォーカスを当てたスパイク・リーの新作「Miracle at St. Anna」、リチャード・ギアとダイアン・レインが主役のロマンス映画「最後の初恋」あたりがランキング入りを果たしそうである。

 訂正:第11回目で「Ghost Town」の解説に誤りがあったことを御詫びいたします)

■過去の記事:
第11回:コーエン兄弟新作×ブラピとクルーニー主演、初登場No.1獲得
第10回:ニコラス・ケイジ主演最新作、冴えない興行成績でランキング・トップに
第9回:「ダークナイト」5億ドル突破、初登場はSFアクション「Babylon A.D.」

[全米ランキングウォッチ]
LA在住の現地ライター・荻原順子による、最新全米BOX OFFICEの分析リポート。(毎週水曜日更新)
映画ジャーナリスト:荻原順子
映画ジャーナリスト:荻原順子
東京都出身、在ロサンゼルス映画ジャーナリスト。南カリフォルニア大学(USC)大学院修了後、CMプロダクション会社勤務を経てフリーランスのジャーナリストに。「キネマ旬報」、「この映画がすごい!」等の雑誌の連載コラムを書く傍ら、翻訳・通訳やコーディネート業もこなす。最近、ブログ(www.cinemanerd.com)を始めるも、仕事に追われて更新は怠りがち…。
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