<前の記事次の記事>

[映画ウラ事情]

日本で最も有名な映画祭と言えば、ハリウッドスターや日本の俳優が多数登場する東京国際映画祭だろう。ほかに知名度が高いものは、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭、ヨコハマ映画祭、山形国際ドキュメンタリー映画祭といったところか。

だが、全国各地、至るところで映画祭は開催されている。例えば、“TAMA CINEMA FORUM”“古湯映画祭”“さぬき映画祭”“福井映画祭”“アジアフォーカス 福岡国際映画祭”“にいがた国際映画祭”など、これらはほんの一握り。

綾瀬はるか主演の「おっぱいバレー」も上映 (C) 「おっぱいバレー」製作委員会

綾瀬はるか主演の「おっぱいバレー」も上映 (C) 「おっぱいバレー」製作委員会


そして、新たに創設もされている。間近に迫ったものは、2009年3月19日から22日の4日間、沖縄県北谷(ちゃたん)町にて開かれる“沖縄国際映画祭”だ。この映画祭は、吉本興業が新たに会社を立ち上げてまで行うプロジェクトで、「おっぱいバレー」や「GOEMON」「バーン・アフター・リーディング」といった作品が、特別招待作品として公開前に見られ、吉本の芸人が監督を務めた長編作品もお披露目される。初めてにしては、相当規模の映画祭と言える。

では、こういった映画祭は、なぜ開催されるのか。

「最も強いのが、映画祭で町起こしをしようという思いです。話題の作品やキャストを呼べれば、マスコミ関係者が集まり、町の名前が様々なメディアで紹介されます。それだけではなく、地元以外の人も来るでしょうから、宿泊費や飲食代など、経済効果も大きい。また、そこで観光PRができれば、映画祭のためだけに来るのではなく、後々に繋がるはずです」と、ある関係者は話してくれる。

だが――とも付け加える。「そこまで上手くいっていないのが現状です。今、大小含め、いろんな映画祭が開かれています。映画館が少ない町だから、地元の人が映画に触れる機会を作りたいと開かれる映画祭もあれば、自主映画をメインに扱う映画祭では、新たな才能を掘り起こしたいなど、その目的は多種多様ですが、あまり差別化されていないのが現状です。どの映画祭も似たり寄ったりといった感じでしょうか。また、映画業界に人脈があり、協力を仰げるといった体制が整っているわけでもない。そのため、大物ゲストが登場するとか、目玉作品があるとか、派手にしようと思っても、実際問題、なかなか難しいんです。正直、開催はしているものの、模索している部分のほうが多いですよ」

映画祭で重要視されるのは、観客側からすれば上映作品やゲストであり、配給側からすれば、それが宣伝となるかどうかであろう。だが、最も大切なのは、併設されるマーケットでのフィルムの売り買いはもちろんのこと、他県や各国から訪れた人々との交流を通じた繋がりや国際性である。そこまでの円熟を求めなくとも、もう少し各地の映画祭が盛り上がれば、各方面への相乗効果は大きいはずである。そのために何をすべきなのか――PRという概念からの脱却が必要なのかもしれない。